新しいテーマ

 玄田有史・川上淳之
 「就業二極化と性行動」 『日本労働研究雑誌』2006年11月号
  http://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2006/11/
 日本版General Social Surveys(JGSS)を用いて、20~39歳を対象に就業の有無と労働時間の長短が成人の性行動頻度に与える影響を実証分析した。国際比較より性頻度の相対的な少なさが日本の低出生率につながっている可能性を概観した上で、JGSS個票から性頻度の区間回帰分析を行った。その結果、無業者は就業者に比べて性頻度が少なく、特に単身者にとって無業状態は性行動を有意に減少させていた。加えて就業者に限定した上で労働時間の影響を見ると、長時間労働は既婚給与所得者の性頻度を抑制する傾向がみられた。無業状態と長時間労働が増加するという若年成人の就業二極化は共に性行動を消極化し、少子化に拍車をかけてきた可能性がある。