希望とは、その内容が具体的になればなるほど、
その実現の可能性は遠のいていく。だから、
本当の希望とは、必然的に挫折や失望が伴う。
その意味で、大盛希望は無料のような、要求すれば
必ず実現する希望とは、真の希望ではない。
希望の目的は、ほとんどの場合、実現しない一方で
希望を保有すること自体が、思考もしくは行動に
何らかの変化を引き起こし、結果的に、希望がなかった
場合には得られなかったであろう、より高次の
充足を実現することがあり得る。
希望は明確な内容であるほどその目的の実現から
遠のくが、希望は生きる上で高次の充足を獲得
するための重要な手段である。これが
希望のパラドックス(逆説)である。
コーネル大学で希望について研究している
文化人類学者の宮崎広和さんと7月1日に
お話をし、そんなことを確信した。