21年2月の働き止め73万人

本日朝、総務省統計局「労働力調査」の2021年2月分の結果が公表。そこから感染のリスクや不安などを理由に、働くことを断念していると思われる「働き止め」人口を、前月までと同様の方法で試算すると、その数は73万人となった。

21年1月の働き止めが77万人だったことを考えると、21年の緊急事態宣言が続くなか、働くことを断念した人の数は、ほとんど減らなかったといってよい。20年4月には、働き止めは114万人にのぼったが、割合としては64%が依然として働くことを断念している計算になる。感染拡大から1年が経ち、昨春に働き止めが大量発生したが、今もなお少なからず働き止めは持続している。

働き止め73万人のうち、女性が60万人と、これまでと変わらず女性が圧倒的多数を占めている。重症化のリスクの大きい高齢層、まだ子どもの小さい中年層、親からアルバイトを止められている若年層など、いずれにも一定数の働き止めが観察されるのは、これまでと変わりがない。

2月には非正規雇用が伸び悩んでいるが、そこには雇い止めによる求人の減少に加えて、引き続き女性、高齢者、学生などを中心とした働き止めが、影を落としていると考えられる。

社会

先日、
とある研究会に参加していたとき、
「社会的」(ソーシャル)とは何か
という話になった。
そのときには、
地域や時代によって
意味合いが違っているのではないか
という話にもなった。

そういえば、
別のところでも
自然科学の専門家の方から
「ところで、社会とは何なのでしょうか。」
と真剣に質問いただいたことも思い出す。

昨日、
先の研究会に参加いただいた方から
社会(ソサイティ)の語源は
ラテン語で
「仲間」(ソシウス)なのだ
というご連絡をいただく。

あわせて社会的に
なにか策を練る講じる必要が
あるとしても、
単に人任せの制度や仕組みづくりは
違うのではないか、
という指摘もあわせていただいた。

社会は仲間によって成り立つ。
そして仲間であるか否かという区分に
社会の境界線が生まれる。
改めて心したいと思った。

「働き止め」のWEB記事

「働き止め」に関する今までで最も正確な報道記事が、3月22日夜に、NHKから配信されています。以下をクリックください。

WEB特集 働きたくても働けない 77万人の試算 | NHKニュース

今まで報道ではなぜか使うことが避けられていた「非労働力人口」という統計用語も正確に使われていて、失業者との違いなどが明確に説明されています。

記事をきっかけに「働き止め」の存在が広がり、働けない苦しみを多くで分かち合うとともに、必要な対策の本格的な検討が始まってほしいと思っています。

昨年末から丁寧な取材に取り組んでいただいてきた間野さん、大西さんに心より敬意を表します。

親の不安と大学生の働き止め

働き止めの根本にあるのは、感染への不安であり、今回の感染拡大が労働市場にもたらした特異な状況であることを述べてきた。感染不安は、働く本人が感染を恐れたり、同居する高齢の親への感染を恐れたりする結果、働くのを断念せさせてきたことも指摘してきた。

また別の働き止めとして、在学中の子どもが飲食店などでのアルバイト先で感染することを恐れて、働くことを止めるよう、親が強く説得した結果でもあるかもしれない。大学生などがアルバイトできなくなったのは、バイト先の飲食店などの経営上の都合もさることながら、親が子どもに「危ないからバイトはやめて」と強く求めたため、バイトをやめざるを得なかったことも多いのではないか。

総務省統計局「労働力調査」によれば、15~24歳の在学中のパート・アルバイト数は、2020年には177万人と、前年より10万人減少した。4半期別では、20年7~9月には、前年同期より23万人と大きく減り込むかたちとなった。それらの背後には、店側の都合による雇い止めだけでなく、親の思いによる働き止めも影を落としていたのかもしれない。

孤立無業(SNEP)について

色々最近、「孤独・孤立」が話題になりかけているようなので、一応、2012年からやってきた「孤立無業者(SNEP)」について、一般に入手できる情報で、比較的正確なものを、ちょっと調べてみた。

https://www.kaonavi.jp/dictionary/snep/

https://www.ieyasu.co/media/snep/

など、思いのほか、記事があった。ただ、必ずニートとの比較に言及されているようだけど、ニートの内容の方は、あいかわず微妙。

自分で書いて話したのは、こちら。

https://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/400/414605.html

https://www.nippon.com/ja/currents/d00109/

スネップも、以前は男性、大卒以外、そして若年が多かったが、2010年代後半には、女性、大卒、中高年にも広がっている。それを「孤立の一般化」と表現した。孤立の一般化の問題は、感染拡大前のデータにも着実に表れているが、感染によって、さらに深刻化、一般化している可能性がある。

想定外の状況の発生は、そもそも困難な状況にあった人びとを、さらに深刻な状況に追い詰める。それは、不況、震災、感染など、いずれにも残念ながら当てはまる歴史の真実だ。

スネップは、総務省統計局「社会生活基本調査」の特別集計を用いている。次回の調査は、今年の秋に予定されている。