働き止め、再び103万人へ増加

本日、総務省統計局「労働力調査」2021年3月分の結果が公表。季節調整値でみたときの非労働力人口(仕事を探していなかったり、仕事がみつかってもすぐには仕事につけない無業者)は、2月より24万人増加した。感染の不安などから仕事を断念していると思われる「働き止め」人口を試算したところ、その数は103万人になり、前月より30万人も拡大した。

働き止めは2020年4月に114万人に達し、その後、緩やかに減少を続けていたが、今年3月には、感染の再びの急拡大や変異ウィルスの拡がりによる懸念などの影響を受け、2020年5~6月の水準にまで戻っている。

3月に完全失業率が0.3%ポイント前月より下がって2.6%となり、就業情勢が改善に向かっているようにもみえるが、就業者数の減少と、働き止めの急増を踏まえると、仕事を探す人が減り、就職を断念する人が増えたことをより色濃く反映しているように思われる。

103万人の働き止めのうち、女性は71万人とかわらず大部分を占めるが、男性についても前月の11万人から34万人へと約3倍増加している。年齢的にも飲食などでのアルバイトも多い若年層、小さい子どもの世話や高齢の親への影響を懸念する就職氷河期世代、さらには自身の感染リスクを無視できない60歳前後など、働き止めは広い世代に広がっている。

来月の統計からは、対前年同月でみるかぎり、雇用が改善しているかのようにみえる結果が多く出てくることになるが、雇用維持や雇用創出などの対策が届かない難しい問題(働き止め)が、依然として深刻であることに留意すべきだろう。

21年2月の働き止め73万人

本日朝、総務省統計局「労働力調査」の2021年2月分の結果が公表。そこから感染のリスクや不安などを理由に、働くことを断念していると思われる「働き止め」人口を、前月までと同様の方法で試算すると、その数は73万人となった。

21年1月の働き止めが77万人だったことを考えると、21年の緊急事態宣言が続くなか、働くことを断念した人の数は、ほとんど減らなかったといってよい。20年4月には、働き止めは114万人にのぼったが、割合としては64%が依然として働くことを断念している計算になる。感染拡大から1年が経ち、昨春に働き止めが大量発生したが、今もなお少なからず働き止めは持続している。

働き止め73万人のうち、女性が60万人と、これまでと変わらず女性が圧倒的多数を占めている。重症化のリスクの大きい高齢層、まだ子どもの小さい中年層、親からアルバイトを止められている若年層など、いずれにも一定数の働き止めが観察されるのは、これまでと変わりがない。

2月には非正規雇用が伸び悩んでいるが、そこには雇い止めによる求人の減少に加えて、引き続き女性、高齢者、学生などを中心とした働き止めが、影を落としていると考えられる。

社会

先日、
とある研究会に参加していたとき、
「社会的」(ソーシャル)とは何か
という話になった。
そのときには、
地域や時代によって
意味合いが違っているのではないか
という話にもなった。

そういえば、
別のところでも
自然科学の専門家の方から
「ところで、社会とは何なのでしょうか。」
と真剣に質問いただいたことも思い出す。

昨日、
先の研究会に参加いただいた方から
社会(ソサイティ)の語源は
ラテン語で
「仲間」(ソシウス)なのだ
というご連絡をいただく。

あわせて社会的に
なにか策を練る講じる必要が
あるとしても、
単に人任せの制度や仕組みづくりは
違うのではないか、
という指摘もあわせていただいた。

社会は仲間によって成り立つ。
そして仲間であるか否かという区分に
社会の境界線が生まれる。
改めて心したいと思った。

「働き止め」のWEB記事

「働き止め」に関する今までで最も正確な報道記事が、3月22日夜に、NHKから配信されています。以下をクリックください。

WEB特集 働きたくても働けない 77万人の試算 | NHKニュース

今まで報道ではなぜか使うことが避けられていた「非労働力人口」という統計用語も正確に使われていて、失業者との違いなどが明確に説明されています。

記事をきっかけに「働き止め」の存在が広がり、働けない苦しみを多くで分かち合うとともに、必要な対策の本格的な検討が始まってほしいと思っています。

昨年末から丁寧な取材に取り組んでいただいてきた間野さん、大西さんに心より敬意を表します。

親の不安と大学生の働き止め

働き止めの根本にあるのは、感染への不安であり、今回の感染拡大が労働市場にもたらした特異な状況であることを述べてきた。感染不安は、働く本人が感染を恐れたり、同居する高齢の親への感染を恐れたりする結果、働くのを断念せさせてきたことも指摘してきた。

また別の働き止めとして、在学中の子どもが飲食店などでのアルバイト先で感染することを恐れて、働くことを止めるよう、親が強く説得した結果でもあるかもしれない。大学生などがアルバイトできなくなったのは、バイト先の飲食店などの経営上の都合もさることながら、親が子どもに「危ないからバイトはやめて」と強く求めたため、バイトをやめざるを得なかったことも多いのではないか。

総務省統計局「労働力調査」によれば、15~24歳の在学中のパート・アルバイト数は、2020年には177万人と、前年より10万人減少した。4半期別では、20年7~9月には、前年同期より23万人と大きく減り込むかたちとなった。それらの背後には、店側の都合による雇い止めだけでなく、親の思いによる働き止めも影を落としていたのかもしれない。