夜、出張から帰って、
何気なく、テレビを見ていた。
すると、サッカーのワールドカップで
線審を務めた日本人審判員の方が
インタビューに答えていた。
線審の主な仕事に、オフサイドの
判定がある。判定次第では、試合
を決することもあるきわめて責任の
重い仕事だ。
では、線審はオフサイドを判定する
とき、どこを見ているのか。両チームの
選手をバランスよく見ているのか。
そうではない。
その線審の方は、
「どこもみていない」
と答えていた。経験を積めば
それができるようになるのだという。
とても印象的だった。ボクはやった
ことがないけれど、どこか武道に通じる
ところがあるかもしれないと思った。
複雑な判断を瞬時に、かつ適切に下す
ためには、どこをみるべきか。
どこもみない。
何か大切なことを示しているように感じた。