総務省統計局「労働力調査」
によると、
宿泊業で働く人たちは
日本全国で
62万人にのぼる。
その数は
ちょうど
国家公務員として
働く人々と同じ。
宿泊業62万人のうち、
23万人が
5月末には休業し、
コロナ禍が過ぎ去るのを
待って耐えていた。
就業者に占める
休業者の割合は
37%と、
他の産業に比べて
突出して高いものとなっている。
休業者のみならず
宿泊業関係者のほとんどが、
夏になれば、
多少なりとも
宿泊客が戻ってくるのを
心待ちにしていた。
その前まで遡れれば
オリンピックによる
海外からの宿泊客も念頭に
これまでにないような
格別のおもてなし(!)を
準備していたところも
少なくなかっただろう。
このような
次々と見込みが立たなく
なるようなきびしい状況のなかで
今、そしてこれから
なにができるのだろうか。
他の都道府県には
なかなかいけないこともあり、
今回はじめて地元の旅館に
泊まってみたら、
「地元の料理の美味しさを
あらためて知ることができたり、
温泉も空いていて気持ちよかった。
ずっと家にいるしかなかったので
とても気分転換になった。
また来たいと思う。」
などとなれば
どんなにか
いいだろう。
そんな動きが地道に広がる
地域が多くあったり
これから広がっていけば
とてもいいように思うし、
そんな地産地消の指標があれば
ぜひ知りたいと思う。
きっとどこかにあるのではないか。
近所なら日帰りで十分という
ことになるのかもしれないが
それでも宿泊したくなるとすれば
宿泊先でいただく酒こそたまらないということか
朝起きてひと風呂浴びた後の朝食に生きている
よろこびを感じるあたりにあるのだろう。
そして近所の宿泊で一番大切なのは
きっと「何もしない」ことの
醍醐味を心置きなく感じること
なのだと思う。
うちにはそんな余裕もない
というのが大勢であれば
地域の好循環を生み出す契機として
それこそ臨時交付金などの
出番だろう。
前々回取り上げた
臨時交付金の第二次補正予算
の活用事例のなかでは
「44.地域の一店一商品づくりサポート事業
休業要請等に協力いただいている方々に対し、
地元の人材や地元産材を活用するなど、
地域全体の好循環につながる
新たな商品メニューやサービス形態を開発する際に、
奨励金等により支援。」
などがあてはまる。
外からの宿泊客向けの料理の提供でなく
地域の小ネタになるような
地元の人に向けの本当のソウルフードを
手頃な価格で提供してくれるような宿泊施設
があれば、関心を持つ人も一定数いるように思う。
宿泊をするのなら
海外や都市部の人気の場所もいいだろうけれど、
とっておきの通い慣れた旅先が
近所にいくつかあるというように
多くの人々がなれば
それが日常の豊かさというものだと
思うのだが、どうなのだろう。