このように
「正社員」
という言葉は
1980年代頃から
政府の統計などには
使われるようになってきます。
ただ、
だからといって
それですぐに世間一般に
その言葉が広がったかというと
そうではありませんでした。
http://www.nippon.com/ja/column/g00348/
に載せた最初の図には
1984年以降、朝日新聞に
「正社員」という言葉を含んだ記事が
年間何件くらい掲載されてきたかを
示したものです。
ここから80年代後半でも
正社員を含む記事は
年間100件にも満たないことが
わかります。
その後90年代になると
次第に記事は増えていくのですが
367件と、
平均1日1件程度掲載される
ようになったのは、
2001年が初めてでした。
「正社員」そして「非正社員」
という言葉が広く社会問題として
知られるようになったのは、
21世紀になってからだと
いってもいいでしょう。
90年代、私は大学院生でしたが
非正規雇用問題という言葉に出会った
記憶がありません。あったとすれば、
パートタイム労働問題であったり、
格差も正規・非正規よりは、
男女間とか、大企業と中小企業の
企業規模間の格差のほうが
より注目を集めていたように
おぼえています。