手間ひま惜しまず-手書きの履歴書-

 「結局、棚ぼたというのは、ないですから」
 「おしつけられた希望では、ダメなんです」
 いずれも、釜石での調査から得られた希望の
 名言だ。そういえば、昨日のニュースで釜石
 のラグビー市民クラブ、釜石シーウェイブスを
 取り上げていた。
 ますますの深刻化が懸念される雇用情勢の
 改善のキーワードは、結局のところ、
 「手間ひまをかけることをけっして惜しまないこと」
 に尽きるのではないかと思っている。
 オカネをかければ苦労もせずに一挙解決、雇用改善
 といったことは、ない。
 国や自治体の雇用政策はもちろん、企業の人事、
 さらには働く本人など、手間ひまをかけることを
 惜しまず、取り組み続けることが、結局成果を挙げる。
 むかしの学生で、就職氷河期世代のIさんは、
 卒業後、資格試験の勉強をしながら、正社員就職を
 時間をかけて実現した。
 彼女に以前、どうすれば、正社員になれると思う?
 と聞いたことがある。
 
 そのとき、Iは、実にすんなりと、こういった。
 「心を込めて、書き損じのない手書きの履歴書を
 100通書けば、正社員になれますよ。」
 書いているうちに、自然と気持ちも定まり、なぜか
 自信も沸いてくるのだという。さらには、自分が今
 採用する側にたったとき、丁寧に書かれた手書きの
 履歴書の大切さを改めて実感した、という。
 もちろん、これは一つの事例でしかない。
 だが、とても大切なことを語っている事例ではないか
 と思うが、どうだろうか。