2009年3月分の労働力調査の結果が
今朝発表。予想通り厳しい数字が並んでいる。
完全失業者数は、335万人と久々に300万台
に達している。うち「勤め先の都合」が前年同月
50万人増の106万人。3月末が一つの雇用の区切り
だろうから、求職期間中になる4月から7月にどれだけ
増えるかが、一つの目安だろう。
就業者数で、唯一、昨年4月以降増え続けているのは
医療・福祉と情報通信。ただ3月はその伸びが
若干鈍化している。今後どうなるかが、注目だ。
加えて今回改めて衝撃的だったのは、従業者規模別
の動向。速報にもあるように1人~29人の小企業全体
では22ヶ月連続で雇用者数が減少しているのに対し、
500人以上の大企業全体では実は21ヶ月連続で増加
しているのだ。
その意味で今回の不況は、中小企業直撃の不況と
いえる。自動車や電機などの大企業名が登場すること
も多いが、実際には中小企業がより厳しい状況に
おかれている。
失われた10年といわれた時期も最初は
大企業が雇用調整に走り、中小は比較的人手不足感
が強かった。それが1997年からの金融不況をきっかけに
中小企業が大きな打撃をうけて不況が深刻化した。当然
雇用および賃金など、中小企業の就業者の状況は厳しい。
かつて格差といえば、地域間格差と、大企業と中小企業の
規模間格差が、労働経済学の大テーマだった。現在、規模間
格差についての研究が、きわめて少なくなっている。あらためて
規模間格差に着目する地道な研究が今こそ必要に思う。