おじさん

 自動車でも汽車でも
 この季節
 新緑の木々の下を
 くぐり進んでいくのは
 なんともいえず
 清々しい。
 
 他に何もいらない
 満たされた気持ちになる。
 一方、汽車にのっていて
 リズミカルな振動音が
 ずっと続いている。
 
 その振動音が
 なぜかわからないが
 ずっと
 「ハイサおじさん」
 にきこえている。
 ガタンゴトンではなく
 ハイサおじさん
 はやいおじさん音もあれば
 ゆっくりとしたおじさん音もある。
 
 今でも耳にやきついて離れない。
 別の意味で満たされている。