落とし物がございます。

 小走りに歩いていると
 前方左に、きれいな色の
 ピンク色の物体が落ちている。
 
 なんだろうと思って、
 のぞいてみると
 それはなんと
 入れ歯
 だった。
 おそらくは上あごの方の
 パーツだった。
 心のなかで
 大きく
 「えええっ」
 と叫ぶ。
 夢でしょう
 という声が今日も聞こえるが
 夢ではない。
 空には天使の階段が
 延びていた。
 なんか、最後だけ、かっくいいな。