SNEP (5)

 スネップは、20歳以上59歳以下の
 働き盛りのうち、未婚の無業者に
 注目しています。
 
 未婚で仕事がないとなると、生活に
 必要なおカネは、貯金を取り崩すか、
 親やきょうだいから援助を受けると
 いったことが必要になります。
 
 一方で、20~59歳の既婚者でも
 社会生活基本調査で調べられた
 連続2日間に家族以外とまったく
 一緒にいる人がいなかったという
 人は少なくありません。2006年の
 調査では、479万人の既婚者が
 誰とも一緒にいませんでした。
 ただし、そんな誰とも一緒に
 いない既婚者ですが、過去一年に
 スポーツ、旅行、ボランティアなどを
 一切しなかった人というのは少数です。
 スネップの場合、37%がそれらの行動
 をまったくしていなかったのですが、
 既婚の場合は、わずか12%です。
 既婚者では、調査された2日間に
 家族以外と一緒にいなくても一年
 という期間でみれば、なんらかの
 社交活動をしている人が多いように
 思います。
 それに対し、離婚もしくは死別した
 20~59歳の無業者は、既婚者と
 大きく状況が異なります。ずっと 
 一人だったか、家族と一緒だった
 離死別経験者は25万人ですが、
 その31%が過去一年にスポーツ、
 旅行、ボランティアなどをまったく
 していません。
 イメージとしては、漫画の
 「34歳無職さん」のような感じ
 でしょうか。
 http://members3.jcom.home.ne.jp/fzrdnzl/34.html
 さらには、いわゆるシングルマザーや
 シングルファザーも、孤立した状態に
 なりやすいということかもしれません。
 スネップや高齢者とならんで、いろいろな事情で
 離別したり、不幸にも配偶者と死別された
 方も、社会から孤立しやすいということも
 今回の研究で、はじめて知りました。
 それだけ離死別者ほど、仕事を通じて
 社会とつながることが必要とされている
 ということだと思います。