恐怖

正確には
おぼえていないけれど
たしか一か月くらい前
だと思う。
地下鉄に乗っていた。
比較的空いていて
席にも座れた。
周りにも満席ではないが
何人かが座っていた。
となりにいた女性がふと動く。
降りるのかなと
思いきや、
斜め前の席に
移動して
何ごともなかったかのように
ふたたび座っている。
特に向かい側が空いている
というわけでもないように思えた。
その人は何駅か後で降りたようだった。
そして・・・
同じことが、昨日もあった。
夜でもなければ、酔っ払っても
いなかった。
満席でぎゅうぎゅう詰めということでも
なかったと思う。
居眠りして隣に迷惑をかけていた
わけでもなかったはずだ。
たまに自分でも席を移動することが
ある。そのときには、なにがしかの
「異変」を感じている。
ということは、自分がまさにその
異変なのだろうか。
恐怖の実話。