東日本大震災が仕事に与えた影響について

すっかり
ご無沙汰
していました。
今年は人生で
最も会議が多い年
のような気がします。
そのなかで時間をみつけて
こんな論文を書いてみました。
http://jww.iss.u-tokyo.ac.jp/publishments/dp/dpj/pdf/j-214.pdf
総務省統計局が2012年に
実施した就業構造基本調査を
分析したものです。
その結果として
いろいろなことが
あらためてわかりました。
たとえば
1) 震災は、被災地はもちろんのこと
東日本地域の全体の多くの人たちの
仕事に影響を与えていたこと
2)なかでも若者の他、正社員では
ない人など、不安定な立場にあることが
多い人たちにより深刻な影響を与えて
きたこと
3)被災地では、住居の移転を余儀なく
された人ほど、仕事につきにくいなど
苦しい状況が続いていること
などです。
そのなかでも、私にとって特に大きな
発見は
4)福島県内の避難指示区域に
指定された市町村の人で、
働く希望が失われていたり、
求職活動を断念しているといった
傾向は「みられない」こと
でした。福島では賠償金などの
影響もあって、パチンコなどに
ふける人が多々いるといった面が
まことしやかに語られます。
もちろんそのような人がいるのも
事実でしょうし、パチンコばかりが
責められるのは、どうかなと
思います。
ただそれ以上に、突如働く場所や
生活する場所を奪われた人たちは
そもそも「働きたい」と強く思ってきた
人たちです。多くの人が、なんとか
仕事をしたいと思っているのです。
その事実も、風化させることなく
正確に伝えていかなければならないと
思います。
これまでいくつか論文を
書いてきましたが、
これほどまでに
死というものを意識して
研究したものはありませんでした。