2020年9月の労働市場(1)

本日朝、
総務省統計局「労働力調査」
厚生労働省「職業安定業務統計」
の2020年9月分の結果が公表。

労働力調査からは
4月の緊急事態宣言以降、
全般的に続いているものの
正規雇用や若年者に今回
気になる動きがみられるなど
新たに注視すべき点も見え隠れする。

4月以降、
季節調整値で見た就業者数は
9月になってはじめて前月より
4万人の減少となった。

その原因は、正社員の伸びが
停滞する兆しがみられることだ。
全体的には長期的な拡大トレンドから
大きくは乖離していないものの
4月以降では最も低水準の雇用者数と
なっている(ただし原数値)。
対照的に非正規雇用は回復傾向が
続いている。

過去7年平均との比較でみても
これまでおおむね安定していた
正社員に9月に入って陰りがみられる。
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先月に続いて製造業などにも雇用は
厳しい状況が続いており、10月にも
このような状況が続くと
正社員を含む大規模な雇用調整が
始まったと認めざるを得なくなるかもしれない。

また感染拡大後に急増した非労働力人口も
これまで順調に減少し、労働市場への復帰が
着実に進んできた。
それが9月になると久しぶりに反転拡大した。

男女別でみると、女性の非労働力人口が
前月より2万人減少しているのに対し、
男性では10万人も増えている(季節調整値)。
年齢別では15~24歳の非労働力人口が
突出して26万人増加し(原数値)、
その他の年齢層の減少を凌駕している。

若年で非労働力人口(言ってみればニート)
が拡大した理由は今のところ不明だ。
だが、大学などでの授業の本格再開
や飲食などのアルバイト探しの断念なども
一部で関係しているのかもしれない。
全体でも8月にアルバイトをしていて
9月に非労働力となった人々は23万人と多い。

また8月から9月にかけて
15~24歳の正規雇用は
290万人から271万人へと
大きく減少している(ただし原数値)。
春に正社員となったものの、
職場に通うことが制限されたまま
仕事に希望が持てなくなり、
仕事を辞めた若者もそこには含まれる可能性がある。
場合によっては企業が正社員の雇用調整を
若者から始めている可能性もある。

今後若年層の非労働力が失業に移行した
場合にも(現在は顕在化していない)、
雇用情勢の大幅な悪化につながる
可能性もある。

不況の就業への影響を厳しく受けるのが
若年である事実は常に変わらない。
正社員の雇用が難しくなれば
来年卒業予定の学生・生徒の新規採用もおのずと
制限されることになる。
若年雇用の安定化に向けて、
今後の動向を慎重に注視しつつ、
一層の取り組みの
本格的な検討が必要だろう。