2020年9月の労働市場(3)

感染症の拡大は
就職氷河期世代にも
深刻な影響を及ぼしてきた。

当初、小さな子どもを持つ
母親である女性が、
学校の一斉休校にあわせるかたちで
子どもや家族のために
就業を断念する傾向が広がっていた。

それが2020年9月までに
有配偶女性の労働力人口比率
などに回復傾向はみられる。
ちょうど学校の再開などにあわせて
女性の就業もふたたび始まっている。

そのなかで35~44歳女性の
正規雇用者数が
2020年9月には286万人と
昨年12月以来の280万人台となった。
20年2月には261万人だったことを考えると
25万人の増加であり、
8月の277万人よりも9万人増と
拡大ペースも強まっている(ただし原数値)。

氷河期世代の元々非正規雇用であった女性の
なかには職場で経験を積み、欠かせない人材として
定着のために正社員転換を目前にしていた人々も
多かった。その動きが着実に回復することが
期待される。

なお、同じ35~44歳でも男性では
労働力人口比率、就業率、正規雇用者数などに
明確な改善傾向がみられていない。

就職氷河期世代支援プログラムの実効性を高めるなど
引き続き支援が求められている。