年頭所感

 年頭所感

 新年あけましておめでとうございます。

 社研は、2023年で創設77年目を迎えます。「7」といえばラッキー・セブン
ですが、語源は野球から来ていて、七回が試合のターニングポイントになること
が多いからだそうです。みなさんにとって2023年が、未来を開く幸運が重なる
一年になることを願っています。

 一方で今年は、関東大震災からちょうど100年ということも、たびたび話題に
あげられるでしょう。予期していなかったことが、毎日のように起こります。
平穏と思える一日のほうが、むしろ貴重かもしれません。不測の未来への備え
を忘れず、かといって不安になりすぎることなく、研究所としての活動を一歩
一歩、地道に進めていきます。

 大学をめぐる環境としては、国際卓越研究大学や大学ファンドなどに関する
構想が、今年は具体的に動き出すことも予想されます。その内容によっては、
社研にとっても少なからず影響が及ぶことになるでしょう。情報把握に
つとめつつ、所内での議論を深めながら、研究所の未来の発展に向けて適切に
対処していく所存です。

 東京大学の部局のなかでは、最も規模の小さい組織の一つが、社研です。
それでも小さいからこそ、教職員一同、みんなで協力しあい、支えあい、
機転や小回りも利かしつつ、関係のみなさまのお力もお借りしながら、
毎日を大切に進んでいきたいと思います。

 本年も東京大学社会科学研究所をどうぞよろしくお願いいたします。

社会科学研究所長
玄田 有史

(「社研メールニュース」より抜粋)