東大社研・中村尚史・玄田有史編『<持ち場>の希望学 釜石と震災、もう一つの記憶』

希望学釜石プロジェクトは、震災以前の2006年から釜石地域で総合的な地域調査を行い、釜石の人々との交流を続けてきた。そして2011年9月からは研究者14名が集い、地域の人々の協力を得ながら、オーラル・ヒストリー(口述史)の手法を用いて釜石における「震災の記憶」をありのままに記録するプロジェクトをはじめた。本書はその記録を素材に、震災直後の被災地・釜石の人々の行動についてのエッセイを取りまとめたものである。

本書のキーワードは、題名にもある<持ち場>である。持ち場とは、必然・偶然にかかわらず、置かれた状況のなかで、全うすることをみずから決意し、行動した役割や場所を言う。持ち場は、事前に決まっていることもあるが、自発的に受け持つこともあるし、突如担うことになった場合もある。それは行政上の役職に限らず、企業や町内会、そして避難所などの自主組織でもそうだ。

震災直後の困難な状況の中、被災地の人々がそれぞれの持ち場を必死に全うしようとしてきた姿を数多く見聞きした。その持ち場意識こそが、震災直後の地域の崩壊をギリギリのところで食い止めてきたのだ。そんな持ち場を粛々と守り続ける人々に共通の前提となっていたのは、震災以前から築かれてきた家族や地域の「信頼関係」だった。

 

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田んぼの真ん中、はぐれ雲

富山県で
四半世紀に
わたって
合宿型の
若者自立支援を
続けている
「はぐれ雲」
のお話が
本になりました。

私もちょっとだけ書いています。

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きっかけ

出かけるために
靴を履こうとしたら
黒い靴下の片方に
小さく穴が開いていた。

靴を脱ぐ可能性
の高い仕事だったこともあり
急いで履き替える。
穴あきは捨てた。

履き替えた靴下で
靴を履こうとした。

そしたらその靴下にも
穴が小さく開いていた。