決定のプロセス

 前回、少し言及した労働政策審議会とは
 厚生労働省のホームページによれば
 
 「厚生労働大臣の諮問に応じて労働政策に関する
 重要政策に関する重要事項を調査審議すること 」
 
 「厚生労働大臣又は経済産業大臣の諮問に応じて
 じん肺に関する予防、健康管理その他に関する重要事項を
 調査審議すること」
 とされている。
 そのメンバーは、ウィキペディアにも出ているが
 (ただ記載のメンバー情報はたぶんちょっと古い) 
 「労働者代表」「使用者代表」と 研究者や弁護士など
 の「公益代表」から構成される。諸々の利害関係を
 調整し、落としどころを探りながら、現実的に導入可能な
 労働政策を実施的に決めてきた。委員は、それぞれの
 立場を代表する見識者が揃っている。
 さらに審議会の下には、複数の分科会・部会があり
 職業安定、雇用保険、労働条件、障害者雇用、能力開発など
 個別テーマごとに詳細な審議がなされている。
 http://www.mhlw.go.jp/shingi/#rousei
 ただ、そのいずれについても、今後は
 非正規、失業者、ホームレス、ニート状態にある無業者とその家族
 を等支援するNPO等の団体の他、若年、学校関係者、さらには
 60歳以上の高齢者なども、意思決定のプロセスに参加すべき
 ではないだろうか。
 何をもってそれぞれの代表と考えるか等
 人選に難しい問題もあるだろう。テレビ出演など
 「有名人」ということで選ばれるのは、ちょっと勘弁してほしいと
 思う。なんといっても、自らの立場を責任をもって代弁すると
 同時に、異なる立場に対しても、理解を示せる人であって
 ほしい。代表者は、きわめて重い社会的責任がある。
  けれど、正社員、雇用保険加入者、企業
 のみを擁護し、それぞれの既得権の維持に努めているといった
 批判など、若年、非正規、無業者などの当事者が直接政策決定
 のプロセスで発言する機会が与えられていない事実がある限り、
 避けることができないようにも思う(批判は常につきものだけれど)。 
 そんな私でも気づきそうなことは、既に然るべき方々が
 検討されているのだろうけれど。