今回の製造業を中心とした雇用危機は、
日本経済が結局のところ、輸出依存型、
特に米国市場依存型であることを、
はからずも露呈したことになる。
その意味で雇用危機対策として、1980年代
末にうたわれたような内需拡大が問われる
ことになるだろう。当時と違うのは、米国からの
プレッシャーによるのではなく、日本が自らその
案を練ることが問われていることだろう。
さらには当時の反省も踏まえると、リゾート開発
などの大規模開発に期待はできず、やはり医療、
福祉、教育といった生活に密着型の内需拡大で
あるべきというのが、やはり国民的総意に近い
のではないか。ただ、そうなると、やはりそれが相当数の
雇用創出につながるには、それなりの時間を要する
だろう。
結局のところ、米国経済が借金依存などの体質を改善し
ふたたび、安定した大規模な市場を回復するまで、
当面は、じっと辛抱ということになりそうな気がする。
明日は、スーパーボウル。ある意味で、オリンピックや
サッカーワールドカップとは異なる、世界最大のスポーツ
の祭典だ。ニュースによると、チケットの売れ行きに陰り
もみられるようで、それも驚異的なことだ。スポーツ好きと
として、この不況がスポーツに影を落とすことは、正直、
悲しい。こういう時期だからこそ、ぜひ明日の試合は
盛り上がってほしい。
さらには、今回の危機は、米国だけでなく、潜在的な
成長力の大きいアジアの市場を志向する本格的な
きっかけになるのかもしれない。その意味では、これから
重要な能力開発、特に若者にとっての能力開発としては
案外、アジアについて関心を持ち、言語や文化などを学ぶ
ことが重要なのかもしれない。
そういえば、先週、幕張に一泊二日の出張をした。
すぐ目の前にアジア経済研究所があった。行ったことが
なかったので、ふと昼休みにのぞいてみた。図書館が
ものすごく立派で快適だった。
自分もアジアをもっと勉強しなければいけないだろう。