バスの中で

 羽田から横浜行きのバスに
 たまに乗る。
 そのとき、いつもどうなんだろうと
 思うことがある。
 バスは2人席なのだが
 先に来た人のなかで、隣に座られない
 よう、カバンをもうひとり分の席に 置いている人がいる。
 誰かが座ることを拒絶している。
 
 往々にしてその人は
 携帯電話を覗いている。
 電車と違って、バスでは何かあったときに
 車内を移動できない。だから警戒的になる
 のは、わからないでもない。
 バスの座席に、余裕があると勘違い
 している人もいるのかもしれない。
 これから社会がどうなるのか、
 わからないが、こういう光景がこれから
 減っていくことが、社会が良くなるって
 ことなんじゃないかと、ふと思ったりした。
 むかしは、バスの運転手さんが車内放送で
 「座席にカバンなどを置かないでください」
 と言っていた。将来もまた放送がされるのかもしれない。
 最近は新幹線で「降りるときには、座席は元の位置に
 戻しましょう」とアナウンスしている。 
 でも、そんな放送やアナウンスの力で変わる、
 なくなれば元に戻るというのは、なんだかつまらない
 気がする。
 さかんに上海万博が報道され、高度成長期の日本の
 ようだと懐かしがっている。でも本当は40年経っても
 なにも変わっていないのかもしれない。