来週金曜の
7月31日(金)に
総務省統計局「労働力調査」6月分の
基本集計結果が公表になる。
そこではどれくらい
就業者が減っているか、
そして
失業が増えているかが、
まずはポイントになる。
これまで雇用対策としては
雇用維持を最優先に進められてきたが
感染症収束まで相当の時間がかかるという
見通しが広がると、
休業や時間短縮で耐えてきた事業のなかで、
持ちこたえられない場合も
出てくるだろう。その結果、就業者の一部が
失業者へと転じることも少なからず考えられる。
雇用が維持できず、新たに仕事が必要な人が
増えてきたときのために、
雇用調整助成金などによる雇用維持対策を前提に、
すみやかな就業移動を促すミスマッチ対策に加えて、
失業者や非労働力人口などで収入や仕事を必要としている人々や
長期の休業を強いられた雇用者、自営業者、フリーランスなどを対象に
臨時の「つなぎ雇用」の機会創出など、
リーマンショック時や大震災時に機能した基金事業のような
雇用創出対策の検討の必要性を
ここでもこれまで指摘してきた。
https://genda-radio.com/archives/date/2020/06/03
現在、その機能が、この基金事業に代わるものとして
実施されているとすれば、それは内閣府地方創生推進室の所管による
「新型コロナ感染症対応地方創生臨時交付金-脱コロナ協生支援金」だろう。
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/rinjikoufukin/index.html
全都道府県、全市区町村を対象に
1兆円が確保された第一次補正予算は
今月から交付が開始されている。
支援事業は
Ⅰ.感染拡大の防止
Ⅱ.雇用の維持と事業の継続
Ⅲ.経済活動の回復
Ⅳ.強靭な経済構造の構築
とされ、雇用関連も対象に含まれている。
臨時交付金は、新型コロナウイルス感染症への対応として
必要な事業であれば、原則として使途を制限しない、
きわめて自治体の自由度の高い設計となっている。
細かく臨時交付金の取り組み例をみると
「雇用創出・研修実施支援」なども挙げられており、
そこに自治体や関係機関による「つなぎ雇用」も
事実上想定されている。具体的には、
そこでは以下の説明書きが加えられている。
「解雇や雇止め、内定取り消し、就職氷河期世代等
の就労機会を失った方々などに対して、
地方公共団体が一時的な雇用を自ら実施
又は就職サポートを委託するのに必要な経費に充当。
また、これらの方々が、人手不足が深刻でかつ社会的必要性が
高い農林水産業、運送業、宅配、食品スーパー等に就業するため、
感染症対策のステージも十分踏まえながら、
実地やwebでの研修等を行う事業者に対して
必要な経費の一部を支援。」
事例のなかには、個人事業主やフリーランスを支援する事業も
別途含まれ、所管は上記と同じく内閣府地方創生推進室となっている。
今回就業支援が必要な対象に、雇われて働く雇用者以外を含んで含んでいたり、
仕事を探してハローワークに訪れる失業者だけに限られないことを考えると、
就業対策の構えを広く取り、狭い意味での雇用対策や失業対策に限定していないのは、
十分理解できる。
臨時交付金では第二次補正予算として
一次の倍の2兆円が確保されており、
今月が締切となっており、交付は
9月以降が予定されている。
地方自治体は、今後、緊急的な雇用創出が
必要になる事態を想定し、そのための対策として
この臨時交付金を有効活用していくべきだろう。
いいかえれば、ここで自治体の今後に向けた
手腕が問われる事態ともいえるかもしれない。
そして今回の臨時交付金が、緊急的な就業確保の機会となる他、
今後に向けた有益な就業機会の創出策の発見につながることが
期待される。