人が採れない

 有効求人倍率が、昨年1月より1倍を下回り続けている。
 求人倍率とは、職探しをハローワークでしている求職者数
 に対して、同じくハローワークに求人を出している件数が
 どのくらいあるかを示したものだ。
 
 有効というのは、今月に新規に登録されたものに、前月からの
 繰り越し分を加えたものである。
 有効求人倍率は2009年1月時点、全国では0.67倍。都道府県別
 では0.3台や0.4台もあり、深刻さは増すばかりだ。
 ただ、統計を別にみる見方もある。2009年1月の有効求職者数は
 約240万人。一年間から40万人近く増えている。一方、有効求人
 数は、それより少なく約160万人分。同じく1年前から40万人分
 減っている。
 これだけ求人が大幅に減り、そしてこれだけ求職が増えれば
 「仕事がない」という認識が社会に広がるのは当然だ。
 ただ、では、実際の就職者数はどうか。その数は、17万件。
 170万件ではない。17万件。桁が一つ少ないのだ。
 求人は減ったといっても依然160万人分あって、就職が
 成就するのは、約10分の1の17万件という事実。
 
 つまり、求人が減ったとはいっても、採用したいが
 人が採れない企業は、まだまだたくさんあるという
 ことになる。
 どうすれば、未充足求人を減らし、17万件を160万件
 に近づけるか。マンツーマンの就職対応、地道な求人
 と求職のニーズの刷り合わせ、・・・。そこに雇用対策の
 地味だが、大事な中身があるのではないか。
 そういう見方も大事に思うのだが、いかがだろうか。