SNEP (1)

 ここ最近、
 仕事をしていない人、つまりは
 無業者について研究をしています。
 大学院生の高橋主光(かずてる)君
 との共同研究です。
 フリーターや非正規雇用など
 働いている人のことも気になりますが 
 なんといっても仕事をしていない無業者
 のことが気になります。
 自立して生活したり、社会とつながるには
 やはり仕事は大事だと思っています。
 ちなみに無業者って何人くらいいると思いますか。
 総務省『労働力調査』によれば、2010年平均で
 働いている就業者が約6千2百万人強なのに対し
 日本全体では約4千8百万人の無業者がいるのです。
 そのなかで、私たちが研究してきたのは、次の
 無業者です。
 20~59歳の未婚者のうち(通学中を除く)、
 仕事をしていないだけでなく、一日中ずっとひとりでいるか、
 そうでなければ家族しか一緒にいる人がいない人たち。
 そんな友だちや知り合いとの交流がない無業者のことを
 孤立無業者、英語でスネップと呼ぶことにしました。
 
 孤立無業は英語でSolitary No-Employed Persons、
 頭文字をとるとSNEPになります。ちょっとSMAPみたい
 ですが。
 実は、働き盛りであるにもかかわらず孤立無業状態に
 あるスネップの人たちが、最新の調査である2006年には
 107万人に達していたのです。
 1996年には35万人だったスネップは10年で3倍に増加
 していたのです。
 とても驚きました。
 
 これからこのスネップについて多くの人に知ってもらい
 何ができるのか、考えていきたいと思っています。