SNEP (3)

 『社会生活基本調査』は、指定された
 連続2日間、つまりは全48時間に誰と
 何をしたかを、15分単位ですべて記入
 するものです。
 調査票は
 http://www.stat.go.jp/data/shakai/2006/pdf/choa.pdf
 にあります。
 このような時間の日頃の時間の使い方
 を調べる調査のことをタイムユースサーベイ
 といいます。ヨーロッパなどでも同じような 
 調査がありますが、だいたい2日間が調べ
 られています。
 一緒にいた人は
 「一人で」「家族」「学校・職場の人」「その他の人」
 から選ぶことになっています。あるとき、この調査票
 をみていて、指定された連続48時間に、ずっと
 「一人で」または「家族」だけとか過ごさなかった人
 は、どのような生活をしているのだろうか
 と思いました。これがスネップを考えようとする
 スタートになりました。
 ただ、2日間を調べるだけで、孤立しているかどうかは
 わかるの?という疑問もあると思います。しかし
 調べてわかったのですが、むしろランダムに指定された
 連続2日間にわたる無業者の対人行動をみるだけで、
 その無業者が通常おかれている状況がはっきりと
 特徴づけられることこそが、スネップという概念の
 特徴なのだと確信するようになりました。
 たとえば、こんなことがあります。
 
 社会生活基本調査では、連続2日間とあわせて
 過去一年間の行動もたずねられています。そこからは
 過去一年にスポーツ、ボランティア、旅行を一切
 しなかった人の割合がわかります。いずれも基本的
 には家の外に出て行うものです。多かれ少なかれ、
 人との出会いもあります。
 20歳から59歳の未婚無業者のうち、これらの 
 活動が一切なかった人の割合は、2006年で
 約30%です。それをスネップ以外に限ると、
 19%まで減ります。8割は、スポーツや旅行
 などの社交活動をしています。
 
 それがスネップの場合には、37%が一切
 していないのです。特に家族とも一緒にいない
 一人型のスネップでは46%が
 何もしていませんでした。
 
 このように指定された連続2日間にずっと一人か、
 家族としかいなかった人たちは、深い孤立状態に
 あることが、他のいろいろな設問からも
 見て取れます。