SNEP (13)

 そもそも調査のあり方として
 社会から孤立しているスネップは
 調査に協力しているのだろうか
 というご意見がありました。
 社会生活基本調査の調査方法は
 次のように記されています。
 http://www.stat.go.jp/data/shakai/2006/2.htm#05e1-8
 
 調査員さんが選ばれた世帯を訪問して
 調査票を配り、それを後日に取り集めることに
 なっています。
 回答は、原則として世帯主または世帯員が
 ご自分で記入することになっています。尚、
 2011年調査からは一部でインターネットによる
 回答も行われるようになりました。
 尚、調査に回答するために、調査員さんと
 接触している時間は、他人と一緒にいた
 時間とはなりません。
 「一緒にいた人」については、基本的には
 その人とコミュニケーションを取っている状態に
 あることが原則です。ただし、例外的に
 「一緒にいた人」とはしない場合があります。
 その一例として社会生活基本調査の手引きでは
 「診察を受けている場合、医師や看護師との
 コミュニケーションを図ることができますが、
 これは仕事としての行為であることから
 「一緒にいた人」とはしません」というのがあります。
 この場合、診察を受けている時間は「一人で」と
 いうことになります。
 同じ様に、調査員さんが仕事の行為として
 コミュニケーションをとっている場合は、一緒にいた
 とはなりませんし、ハローワークで就職のために
 相談員さんと面接している時間も、仕事としての
 行為のコミュニケーションと考えられるため、一緒に
 いた人とはならず「一人で」に該当すると思われます。
 回答拒否の可能性については、ずっとひきこもり
 状態などにある人は、そのことを他人に知られたくない
 ために、回答を事実上、拒むということもあるかも
 しれません。しかし、ここで調べられているのは、
 連続した2日間だけであって、ひきこもりのような 
 半年以上といった長期間にわたるものではありません。
 回答を2日間に限定しているのは、生活時間を
 24時間について調べるという回答者の負担に
 最大限配慮した結果だと思います。その意味で
 仮に長期間孤立している人でも、2日間については
 それほどの抵抗感もなく、むしろ正確に記述して
 いただいているのではないかと思います。
 またこれも大切なことですが、社会生活基本調査
 のような政府統計は、回答者に指定された場合は
 回答の有無を自由に選べるのではなく、回答する
 ことが義務として法律で規定されていることも大事な 
 点です。
 しかし、それでもスネップ状態の人たちが
 傾向的により強く回答から漏れている可能性が
 万一あるとすれば、2006年に107万人と見積もった
 孤立無業は、本当はもっと多いということになる
 可能性があります。
 ご意見がありましたので、回答してみました。
 他にもご意見やご質問などありましたら
 genda_radio@yahoo.co.jp
 までお寄せください。
 みなさんと一緒に
 孤立無業について考えていければと
 思います。