新しいご意見をいただきました。
その方からお寄せいただいた情報は
次のようなものでした。
最近の介護統計を見ると、介護支援者の増加とともに
男性支援者の割合が年々増加傾向を示していること、
個人的にも、都会から介護支援のために仕事を辞めて
地方に帰ってきている人に何度か会った経験がある。
働きたくとも働けない状況にいる人がいて、それが
SNEPに含まれているのでは、と少し気になります。
ご意見、ありがとうございます。私もスネップの研究を
始めたとき、増加の原因の一つとして要介護の家族を
抱えている人が増え、そのことが外部との接触を難しく
させている可能性があるかもしれないと思っていました。
幸いにも社会生活基本調査には、ふだん家族の介護を
しているかどうかの質問があり、さらに自宅に介護が要する
人がいるかもたずねられています。
ちなみに、ここでいう介護とは、日常生活における入浴、
着替え、トイレ、移動、食事などに手助けをすることをいいます。
介護保険制度で要介護認定を受けていない人に対する介護も
含みますが、一時的に病気などで寝ている場合は含みません。
この項目を使って、自宅に要介護者がいることが、孤立無業に
つながっているかを推定してみました。その結果、SNEP(9)でも
書きましたが、要介護者が自宅にいる無業者ほどスネップに
なりやすいという傾向は、少なくとも統計的には表れてきません
でした。
ただし、この分析は2006年のものであり、高齢化がさらに進んだ
2011年の最新調査を分析すると違いが生まれるかもしれません。
実際、2006年調査でも、スネップのうち、非孤立無業に比べると、
高い確率ではありませんが(統計では有意水準10%といいます)、
自宅に要介護者がいる無業者が、家族型スネップになるという傾向
も若干みられます。
介護とスネップの関係については、今後、ますます大事な問題
になると思います。