SNEP (17)

 どうして、そんなに統計(数字)
 にこだわるのですか
 という質問がありました。
 むかし『仕事のなかの曖昧な不安』
 という本を書いた後、読んでくれた
 友人から次のようなことを言われました。
 
 「ここで書いてあることは、当たり前の
 ことばかりな気がする。自分でも知って
 いたことだ。でも、それは自分は漠然と
 そう思っていただけで、それが統計に
 基づく根拠があるんだとわかって、
 なんだかすっきりした。」
 この感想は、これまでもらった
 感想のなかで、一番うれしいものの
 一つになりました。自分のやるべき
 ことが、すこし見えた気がしました。
 経済の問題でも、仕事の問題でも、
 若者の問題でも、統計による裏付け
 があるものと、そうでないものがある
 ように思います。
 裏付けがないものは
 一時的には話題になりますが、しばらく
 するとまったく顧みられることもなくなる
 ことも多いように思います。
 ただ、だからといって統計や数字が
 すべてだとも思いません。スネップに
 しても、明らかにしなければならないことが、
 統計調査のなかですべて調べられている
 わけではありません。
 むしろわからないことだらけです。
 だからこそ、統計によってどこまで
 明らかにすることができて、どこから
 先がわからないかを、すっきりさせることが
 大事だと思います。その上でわからない
 ことは、統計や数字を超えて、
 本人や現場の声に耳を澄ますことが
 大事になると思います。
 数字は0から9までの、それ自体
 味気ないものかもしれませんが、
 その背後には、言葉にならない
 いろいろなドラマや物語があるように
 思っています。