今月も労働市場の主要指標(原数値)を、恒例の過去7年平均と比較してみる。
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就業者数は6707万人と、今月も増加し、過去7年平均に比べた差(雇用ボーナス)は180万人多く、乖離幅は4月以降、着実に増加している。1年の雇用ボーナスは267万人と多く、その水準には未だ達しないものの、ゆるやかに回復しているとみてまちがいない。
非正規雇用者数は、11月は過去7年平均を62万人上回り、1月の雇用ボーナス128万人の半分程度である。ただ4月の乖離幅だった32万人に比べると、こちらも回復傾向にあるのは確実である。
正規雇用者数になると、11月の雇用ボーナス147万人は、感染前の1月の152万人と、ほぼ完全に回復している。毎回確認しているように、正規雇用者数は全体として感染拡大による影響をほとんど受けていない。
11月の完全失業者数195万人は、過去7年に比べて1万人少なく、ほぼ同水準にある。失業者数は過去に比べて、特に多くもなければ少ないわけでもない。
非労働力人口は、感染拡大後、労働者自身の働き止めの拡大により急増したが、11月は過去7年に比べて216万人少なくなっており、1月の236万人少ない状態に近づきつつある。4月に乖離幅が139万人まで圧縮していたことを考えると、働くことを一時的に断念していた人々の労働市場への復帰も進みつつある。
個別にはいろいろな問題があるのは事実であるにせよ、総体としては労働市場の回復力(レジリエンス)は、高く評価できると考えられる。