初体験

 初めて砂丘に足を踏み入れた。
  細かい粒。微妙な赤黄色の色合い。
  急な斜面。ところどころ無音の世界。

私は知らない

 花の名前と魚の名前がわからない。
 今日、歩いていたら、川沿いの一面に
 紫色の小さな花びらをつけた花が無数に
 咲いていた。
 名前なんてどうでもいいと思っているが
 こういうときは、なんて名前なんだろうと
 思う。
 

冬よ、さらば

 夜、寝ようとして
 押し入れから布団を
 出そうとした。
 
 そのとき、なにかが 
 こぼれ落ち、左足の
 親指を直撃した。
 激痛が走る。
 冬に活躍した
 湯たんぽだった。
 あまりに痛さに
 泣き笑いした。