川喜多(喬)さんの
『仕事と組織の寓話集―フクロウの智恵―』
を読む。
そのなかには、以前、労政時報に
連載されていた「こだわり人事のすすめ」「続・こだわり
人事のすすめ」も掲載されていて、当時、社会経済生産性
本部でゼミをしていたとき、この話をネタに会社の若手人事
の人たちと飲んでいた楽しかった当時を思い出す。
読んだ印象は、働く無常、というところか。働く過剰より
良いタイトルか。平家物語か。
作者曰く、「この著は真面目に現場で働いている人への
応援歌である。そうは読めないと怒り狂う人は多かろうとも。」
それにしても、この本、普通に手に入るのだろうか。
発行所、近代労働研究会。どこか怪しいネーミング(すんません)。
でも、ほんとうに読むとどっかヘンに元気が出るのは、まちがいない
本です。真面目に人事のことを考えたい人は絶対に読むといいと
思いますけど。
一応、購入先の問い合わせと値段です。
発行所:近代労働研究会
〒206-0034 多摩市鶴牧3-13-7-104
電話:042(311)5853
ファックス:042(311)5854
定価:1890円
送料:290円
カテゴリー : 玄田日記
1973年10月30日


ガッツ
近所に
串の魂(たましい)
という串揚げ屋がある。
入ったことはないが
なかなかにガッツのある
名前のお店と思っていた。
今日、知ったのだが
釧路出身の近所のCさん(女性)は
ずっと、その店、
串の塊だと
思っていたらしい。
串の塊(かたまり)って、
いったいどんな店よ。
何が出てくるさ。
それはそれでたしかに
ガッツは感じるが・・・。
ogasawara
あだ名は「ガッツ」。
なんかわからんけど、
ステキだ。
なぜ中学生の職場体験が大切なのか
「中学生を職場に一週間(正確には5日間)受けて入れてくれませんか」
そんなお願いに大人たちの反応は様々だ。
「よろこんでやりましょう」
「子どもたちが早いうちから社会に触れるのは良いことだ」
「こういう取組みが前から必要だと自分も思っていた」…。
こんな受け入れに肯定的な声をいただく一方、拒まれるケースも少なくない。
中学生の職場体験を断られる理由は様々だが、まず多いのは
「受け入れる余裕がない」。
一週間もの期間、就業未経験の中学生を受け入れるとなると、
それ相応の面倒をおかけする。人手が足りず手一杯なところに
無理にお願いするわけにはいかない。
ただ、それでは引き受けてくださっている事業所は余裕が
溢れているかというと、そんなことはない。
むしろ多忙な事業所ほど意義をご理解いただき、
敢えてご協力くださっている印象すらある。
「5日間も子どもにやらせる仕事がないから」と
断られることもある。これも印象論で恐縮だが、
実際に受け入れてくださっている事業所は、
個々の中学生の状況に応じて、
とても上手く5日分の仕事を段階的に
創ってくださっているように見える。
14歳に良き体験をさせるためには、
まずは大人が自分自身の仕事を
改めて考えてみることになる。
半人前だった当時を思い出し、自分が
「仕事っていうのは奥が深い」
「働くっていうのは凄いことなんだ」と
実感した瞬間を振り返ってみる。
そんな実感の一端にどうすれば中学生も触れられるか。
受け入れてくださる大人たちは忙しいなか、
そんな思いから半分はご自身の楽しみとして
ご協力くださっている。
反対に「子どもに見せられるような仕事ではない」
「中学生が現実を知ってショックを受けるかもしれないから」
という受け入れ拒否の理由もある。失礼を覚悟で言う。
なんと寂しい仕事ぶりなのだろう。
楽しいことばかりではない仕事も、大人はプライドを持って働いている。
中学生の職場体験では、大人が仕事の事実をどう示せるかが問われる。
中学生に仕事を体験させることを通じて、自分の仕事への誇りやこだわり
のようなものを正直に語るチャンスが、この体験の核心にはある。
現代の10代の若者たちは、親や先生以外の大人と接する機会が
極端に少なくなっている。働くことは様々な大人と出会うことだが、
接したこともない大人との対人関係を恐怖と感じる若者たちは
働くことに踏み出せなくなる。
「大丈夫、ちゃんと挨拶さえ出来れば、君もしっかり働けるんだよ」。
そんなことを実感させてくれる機会が、早い段階ですべての若者に必要なのだ。
「中学生は怖そう」という人がいる。14歳は子どもと大人の中間にある、
多感な存在だ。その分、たった一週間でも実に多くを大人から吸収して帰ってくる。
実際に一週間を共有していただければ、怖いどころか、
現代の中学生の純粋さと繊細さに驚く大人は多い。
中学生の職場体験は、若者たちの挑戦だけでなく、
大人にとっての挑戦でもある。