「正社員」の歴史

正社員にせよ、
非正社員にせよ、
実は中身はかなり
曖昧という話を
してきました。

でも、じゃあなんで
ずっと話題になっているの?
と思う人もいるかもしれません。

2013年に
小倉一哉さんという早稲田大学の先生が
『「正社員」の研究』
(日本経済新聞出版社)
という、とてもユニークな本を
書かれています。

その第一章には、
正社員という言葉の歴史が
詳しく調べられています。

古いところでは
まだ明治時代だった1901年に
操業が開始された八幡製鉄所
には、当初から
「職員」と「職工」という区分が
あったそうです。

1930年代になると、
日立製作所などでは
「社員」と「職工」という区分があって、
異なる就業規則が適用されていたそうです。

戦後1940年代後半になると
「社員」と「工員」という身分差の
解消に労働組合などは努力します。

年功賃金や長期雇用などの
いわゆる日本的雇用システムが
広く普及したのは、1950年代以降
というのが、多くの研究者の定説です。
ただ、その頃の文献には、まだ
「正社員」「非正社員」という区分や
その差を解消しようといった表現は
登場していません。

「正社員」ってナンだろう?

みなさんの
お手元に
国語辞典がある方。

よろしければ
「正規雇用」
「正社員」
を引いてみてください。

たぶん、
ほとんどの辞書には
載っていないはずです。

有名な岩波書店『広辞苑』にも
1998年刊行の第五版には
登場しませんでした。

2008年に刊行された『広辞苑』第六版に
はじめて「正規雇用」は出てきます。

「非正社員」「非正規雇用」が出ている
辞書は今のところ、見たことがありません。

当たり前のように
使われる
「正社員」
ですが、実はその内実は
よくわからないのです。

非正規雇用は有期雇用?

ウィキペディアで
「非正規雇用」を調べると
非正規雇用(ひせいきこよう)は、いわゆる「正規雇用」以外の有期雇用をいう。
と出てきます。

事実はそうでしょうか。

総務省統計局の
「労働力調査」(2015年)の
調査結果を見てみます。
http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/List.do?lid=000001143324

Ⅱ-7表の一枚目のシートを
みると、「非正規の職員・従業員」は
2015年平均で1980万人です。

その上で3枚目のシートには
「無期の契約」が出ていて、
非正規の職員・従業員のうち
無期の契約は602万人となっているのです。

非正規がすべて有期雇用というのは
事実と異なります。3割は無期の契約なのです。

一方でシートの4枚目をみると、
有期の契約の正社員が123万人存在しています。

正社員=無期雇用、非正社員=有期雇用
というイメージは、実態とは大きくかけ離れています。

正社員って、なにが正しいの?

今月の雑誌『中央公論』に
「正規」と「非正規」の線引きをやめよう
という文章を書いてみました。
http://www.chuokoron.jp/newest_issue/index.html

前々から感じていた
「非正規雇用」問題について
書いてみたものです。

これからは
正規・非正規よりも
無期・有期雇用に
注目していったほうが
よいこと、

その上で、できるだけ
無期か長期の有期雇用が
増えるよう
目標を明確にしたほうが
よいこと、

さらには現在450万人近く
存在する自分の雇用契約期間が
「わからない」
という人を少しでも減らしていく
よう対策を進めるべきこと、

などを書いています。

すでにいろいろとご意見やご批判も
いただいていますが、
みなさんとこの問題を共有
できればと思っています。

釜援隊報告会in東京

岩手県釜石市で復興支援員として活動している、釜石リージョナルコーディネーター(通称「釜援隊」)です。2/6に、東京駅横で活動報告会を実施します。皆さまふるってご参加ください!◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
『コミュニティから生まれるビジネス~被災地から広がる可能性~』

【日時】2月6日(土)16:00~18:00(開場15:30)
【場所】HUB cafe Tokyo 2Fフロアスペース
東京都中央区八重洲1-5-9 八重洲アメレックスビル
東京駅八重洲北口から徒歩3分
【参加費】無料
※説明会修了後に懇親会を行います(実費負担)
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

東日本大震災から5年が過ぎようとするいま、岩手県釜石市では“未来の釜石”を象徴するものが増えています。

橋野鉄鉱山の世界遺産登録、2019年ラグビーワールドカップの開催、昨年末に完成した情報交流センターのこけら落としには、老若男女、たくさんの笑顔が集まりました

まちの賑わいが増すにつれ、地域の方々の視線は復興の先にある地域の姿と、それを支える”なりわい”に向けられつつあります。

ある水産加工業者の方は、これまでの支援に感謝しながらも「これからは自分たちの手で、地域を盛り上げなくては」と、他の加工業者や漁業者と一緒に起業し、新商品を発売しました。

また、ある復興公営住宅の住民は、「困ったときの助け合いが、復興してからも続く仕組みを残したい」と地域の見守りを事業化する活動に参画し始めました。

私たち「釜石リージョナルコーディネーター/釜援隊」は、そんなまちづくりの架け橋として、これらの活動をコーディネートする存在です。

ときには、市内外の人と人、ココロとモノを繋ぐ黒子となり、またある時には地域の人々と一緒に議論を重ね、汗を流してまちをつくる。

そうしてつないだ縁は、新たなアイディアを事業者にもたらし、地域間の交流を促し、釜石の人々が、自らすすめるなりわいづくりに繋がっています。

当イベントでは、復興と地方創生のあいだにあるまち・釜石の現状と、これまで釜援隊が積み上げてきた活動の軌跡をご紹介します。

01|イベント概要
■タイムテーブル
15:30 開場・受付開始
16:00 開会・ごあいさつ
16:05 釜援隊と釜石市の概要説明
16:20 ゲスト講演
16:40 釜援隊によるピッチプレゼン
17:00 休憩
17:10 パネルディスカッション
17:50 募集要項・エントリー紹介
18:00 閉会
18:30 懇親会
20:30 解散

■ゲスト講師
高砂 樹史氏
昭和40年の大阪生まれ。「わらび座」での劇団生活を経て、長崎県五島列島へ移住。島の観光まちづくりに参加。アメリカ高校生の国際交流事業などの取組みが、平成20年度には「JTB交流文化賞最優秀賞」「オーライニッポン内閣総理大臣賞」などを受賞。
着地型旅行会社である観光まちづくり公社の立ち上げにも参加し、東洋文化研究家のアレックス・カー氏との連携で、江戸末期の古民家などを再生したレストランや宿泊施設を活用する「新しい島旅」事業も展開。平成28年1月より長野県茅野市に移住。
総務省地域創造力アドバイザー 、内閣府観光伝道師、観光庁観光地域づくりマネージャー、社会イノベーター公志園フェロー。

■登壇者(釜援隊ほか)
中村 博充(マネジメント・水産業六次化担当)
二宮 雄岳(マネジメント・コミュニティ形成担当)
久保 竜太(観光産業振興担当)
手塚 さや香(林業振興担当)
佐野 利恵(マネジメント・広報)
石井 重成(釜石市役所まち・ひと・しごと創生室室長)
黍原 豊(釜援隊OB・(一社)三陸駒舎理事)

■パネルディスカッションテーマ
・ローカルコミュニティからビジネスを生んでいくために必要なこと
・釜援隊(地域コーディネーター)という職業を選択して得たもの/失ったもの
・“いま”被災地で働くということ など

■こんな人にオススメ!
・被災地や釜石の「いま」にご関心のある方
・震災復興や地方創生というテーマに対して、仕事としての関わり方を模索している方
・社会の課題を解決することを仕事にしたい方

02|参加申し込み方法
本イベントページの上部にあるボタンから、「参加予定」を押してください。

03|募集職種
・地域コーディネーター(コミュニティ領域/観光領域/産業領域など)若干名

04|採用情報
http://kamaentai.org/recruitment

05|参考URL
・釜援隊HP
https://www.kamaentai.org/
・東北復興新聞「釜援隊」が社会を変えるかもしれない3つの理由
http://www.rise-tohoku.jp/?p=8050
・小さな組織の未来学 <開放>と<転換>の釜石学
http://www.nikkeibp.co.jp/article/miraigaku/20141204/426880/

06|主催
釜援隊/釜石市

当イベントのシェアや、ご関心のありそうな友人を「招待」頂ければ幸いです。みなさまのご来場を心よりお待ちしております。