やさしさ

明日から
日本経済新聞の
「やさしい経済学」
というコーナーで
連載です。

内容は
希望学の
10年間で
知ったことです。

10回連載。

連載の題名は
新聞社の付けたもので
「希望の役割」
だそうです。

 

マイナー行き

今日の銭湯は
入った瞬間
スミを入れた人と
入れない人の
人数が
ほぼ互角の勢いで
あった。

よく会う
彼のスミも
時間をかけつつ
次第に色が付いて
きている。

お互いが
お互いの
それを
どう思っているのだろう。

今は互角だが
このままでいくと
少数派(マイナー)行きは
確実であろう。

一人はずっと
サウナで
アボカドの
話を
別の兄さんにしていた。
運んでいるのだろう。

リンリンランラン

どうにも
苦手な言葉が
ある。

ウィンウィン
という言葉。

もちろん
状況にもよる
のだろうが
そんな都合の良い
ことがそうそうあるだろうか
と思ってしまう。

もしそんなお互いに
とって改善する余地が
あったのならば
(経済学では「パレート改善」という)
とっくの昔にそのような
選択はお互いの協力で
実現されているはずではないか。

それができていないとすれば
その実現をむずかしくしている
なにか途轍もない制約が
あるのか、
そうでなければ本当は
ウィンウィンではなく
実際は
ウィンルーズ
の関係だからではないか。

それに当事者同士が
ウィンウィンだ
と思っていたとしても
そのときには
別のどこかで
必ず泣いている人たちが
いる。

もし本当に誰にとっても
ウィンウィンだといえる
状況が残されていたのだ
とすれば
それは過去から現在にかけて
大切な資源やチャンスの浪費が
あったことになる。

そのときには
ウィンウィンだ
などと安易に未来に希望を抱くよりは
これまでの
ルーズルーズ
だった現実を深く反省する
ことから始めるべきでないか
と思ってしまうのだが
どうなんだろうか。

まあ一番苦手なのは
ウィンウィンというご自分の言葉に
うっとりしている感じの
ご表情なのだけれど。

「心の旅」ではなく。

最近の
春と秋の楽しみは
NHKのBSプレミアムで
やっている「こころ旅」を
観ることだ。

http://www.nhk.or.jp/kokorotabi/

火野正平さんが
視聴者から手紙で送られた
「こころの風景」を
自転車でたずねる旅番組だ。

決めゼリフは
「とうちゃこ」(到着のこと)
「人生下り坂最高」(最近あまり仰らない)
である。

好きなところを思いつきで挙げると

電子メールやファックスではなく(たまにはある)、
だいたいは手紙で送られてきた心の風景(多くは手書き)
をたずねる。

たずねるのは主に自転車、
けれど 無理はしない。
鉄道、バスは上手に利用する。
それを番組では「輪行」という
(はじめて知った言葉)。

放送では自動車にはまず乗らない。
ただし坂があまりにキツイときなど、
通りがかりの軽トラックに
ご厚意で乗せてもらうこと
がある。

出発のとき、目的地を紙の地図で確認する。
番組ではPCや携帯のナビなどは使わない。

目的地は
有名な場所であることは少なく
そこで暮らした人にとっての
何気ない日常の風景がほとんど。

ナレーションは一切なし。最後の数秒間は
風景が音だけで映し出される
(無音の場合もある)。

平井真美子さんの音楽
(テロップなし。平井さんをはじめ
スタッフの名前は一切出てこない)。

池田綾子さんの歌。
たまに火野さんの歌(アドリブ鼻歌も含む)。

火野さんが思いきり弱虫
(高所恐怖症で高い橋が怖い)。
無論、女好きではある(へへ)。

Bカメラ班の凝った遠方からの撮影映像。

雨のときは、雫がカメラに付着して
よく見えない映像(カメラや音声は
同じく自転車で火野さんを追いかけている)。

5人の自転車が一列に連なるところ
(ここでもラッキーナンバーは「5」だ)。

そして何といっても番組に登場する
何ということのない人たちの素の魅力
(おそらく仕込みはない)。

事故なく、できるだけ長く無理せず続けて
欲しいと思う。人気がさらにもっと増えると
たいへんだろうな。