ガッツ

 近所に
 串の魂(たましい) 
 という串揚げ屋がある。
 入ったことはないが
 なかなかにガッツのある
 名前のお店と思っていた。
 今日、知ったのだが
 釧路出身の近所のCさん(女性)は
 ずっと、その店、
 串の塊だと
 思っていたらしい。
 
 串の塊(かたまり)って、
 いったいどんな店よ。
 何が出てくるさ。
 それはそれでたしかに
 ガッツは感じるが・・・。

なぜ中学生の職場体験が大切なのか

「中学生を職場に一週間(正確には5日間)受けて入れてくれませんか」
そんなお願いに大人たちの反応は様々だ。
「よろこんでやりましょう」
「子どもたちが早いうちから社会に触れるのは良いことだ」
「こういう取組みが前から必要だと自分も思っていた」…。
こんな受け入れに肯定的な声をいただく一方、拒まれるケースも少なくない。
中学生の職場体験を断られる理由は様々だが、まず多いのは
「受け入れる余裕がない」。
一週間もの期間、就業未経験の中学生を受け入れるとなると、
それ相応の面倒をおかけする。人手が足りず手一杯なところに
無理にお願いするわけにはいかない。
ただ、それでは引き受けてくださっている事業所は余裕が
溢れているかというと、そんなことはない。
むしろ多忙な事業所ほど意義をご理解いただき、
敢えてご協力くださっている印象すらある。
「5日間も子どもにやらせる仕事がないから」と
断られることもある。これも印象論で恐縮だが、
実際に受け入れてくださっている事業所は、
個々の中学生の状況に応じて、
とても上手く5日分の仕事を段階的に
創ってくださっているように見える。
14歳に良き体験をさせるためには、
まずは大人が自分自身の仕事を
改めて考えてみることになる。
半人前だった当時を思い出し、自分が
「仕事っていうのは奥が深い」
「働くっていうのは凄いことなんだ」と
実感した瞬間を振り返ってみる。
そんな実感の一端にどうすれば中学生も触れられるか。
受け入れてくださる大人たちは忙しいなか、
そんな思いから半分はご自身の楽しみとして
ご協力くださっている。
反対に「子どもに見せられるような仕事ではない」
「中学生が現実を知ってショックを受けるかもしれないから」
という受け入れ拒否の理由もある。失礼を覚悟で言う。
なんと寂しい仕事ぶりなのだろう。
楽しいことばかりではない仕事も、大人はプライドを持って働いている。
中学生の職場体験では、大人が仕事の事実をどう示せるかが問われる。
中学生に仕事を体験させることを通じて、自分の仕事への誇りやこだわり
のようなものを正直に語るチャンスが、この体験の核心にはある。
現代の10代の若者たちは、親や先生以外の大人と接する機会が
極端に少なくなっている。働くことは様々な大人と出会うことだが、
接したこともない大人との対人関係を恐怖と感じる若者たちは
働くことに踏み出せなくなる。
「大丈夫、ちゃんと挨拶さえ出来れば、君もしっかり働けるんだよ」。
そんなことを実感させてくれる機会が、早い段階ですべての若者に必要なのだ。
「中学生は怖そう」という人がいる。14歳は子どもと大人の中間にある、
多感な存在だ。その分、たった一週間でも実に多くを大人から吸収して帰ってくる。
実際に一週間を共有していただければ、怖いどころか、
現代の中学生の純粋さと繊細さに驚く大人は多い。
中学生の職場体験は、若者たちの挑戦だけでなく、
大人にとっての挑戦でもある。

希望学釜石市調査にご協力いただいた皆様へ

秋晴れの候、ますます御健勝のこととお喜び申し上げます。このたびは、私どもの調査研究の実施にあたりまして、格別のお引き立てを賜り、ありがたく厚く御礼申し上げます。
9月24日(日)から9月30日(土)の一週間にわたり、総勢約30名が御地釜石市に訪問させていただき、のべ200名の方々から貴重なお話を伺うことが出来ました。4回にわたる市民講座にも毎回たくさんの方々にご参加いただき、たいへんな盛会となりました。ご協力をいただきました全ての釜石市民の皆様、市役所の方々に心より感謝申し上げます。
私個人も多くの方からお話を伺い、なかには7月に引き続き調査にご協力をいただいた方もいらっしゃいました。釜石の現在を担い、未来に新しい希望の芽を育てようとしている方々に、共通して感じることが多々ありました。
私が強く印象に残っているのは、
実現の困難な目標をあえて自らに課していらっしゃること、
個人を超えて社会や地域を愛する利他的な動機をお持ちであること、
地域内外にまたがる人と人とのつながりを大切にされていること、
繊細さと大胆さを兼ね備えた独自の行動原理をお持ちであること、
これまでとこれからを語る経験に基づく独自の言葉をお持ちなこと、
などを、みなさんのお話から感じたことです。
釜石の中学生の皆さんとお話が出来たことも、たいへん楽しい思い出になりました。今後、私たちでお役に立てることがあればご相談ください。
調査研究に参加した一人ひとりが、教えていただいたことを記録にまとめることになります。これをご縁に、末永くおつきあいさせていただきたいと思います。
改めて、この度はありがとうございました。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
敬具
東京大学社会科学研究所
希望学プロジェクト
玄田 有史

イソップだったと思うんだけど

  One for all, All for one.
 みんなが一人のために、一人がみんなのために
 確か三銃士かなんかの言葉だけど
 もっぱらラグビーで有名。なんといっても 
 ドラマでしょう。知る人ぞ、知る、たしか 
 その名はイソップ。
 でも最近感じるのは、どっちかというと
  One for Some, Some for one.
 
  誰かがひとりのために、ひとりも誰かのために。
 こっちがリアルな気がするんだけれど。