7月の完全失業率発表

 
  7月の完全失業率が発表された。
 ついに2002年6、8月、2003年4月の
 過去最高だった5.5パーセントを超え、 
 季節調整で5.7パーセントとなった。
 これを衝撃的とするニュースや記事
 などが広く報道されるだろう。まずは
 動揺するだけでなく、冷静に事実の把握
 を積み重ねることが大事だ。
 
 パーセントでなく、絶対数も大事になる。
 完全失業者数が359万人というのは
 2002年当時とまだ同水準。今後400万人
 を超えるかどうかが、一つの目安だろう。
 これまで年内の失業は年前半に深刻化する
 ことが多かったが、これから年後半に益々
 悪化するとすれば、それこそ大きな構造変化
 になるかもしれない。数字の増減だけでなく
 秋以降の動きが気になるところだ。
 調査では、雇用者の減少幅(80万人減)で
 前月(110万人減)に比べ30万人縮小も示されている。
 季節調整値にいたっては、前月比で雇用者数は
 24万人増加と、8ヶ月ぶりの回復の兆しもあることも
 見逃せない。
 雇用者の増加が増えたとしても、それが採用が
 増えたからか、離職が減ったからかで、認識や
 対応も異なる。その区分が重要だ。
 失業率(数)も、新しく失業した人が増えても
 拡大するが、失業からの脱出が困難化しても
 増える。どちらで増えたかで、失業の見方も
 異なる。
 今後、あくまで推論だが、景気の底打ちに伴い
 失業に入って来る人の勢いは一時よりも弱まる
 かもしれない。そうなるとより対応が急がれるのは、
 失業から抜けられない人、失業の長期化問題になる。
 求職活動は3ヶ月が一つの勝負で、それを超えると
 誰でもたいへんになる。長期失業から脱却できた
 ケースの状況を集めて、広く関係者で共有すべきだろう。
 大事なのは、具体的な改善例だ。
 ちなみに今回の報告は、総選挙の直前になったが、
 選挙の日程が決まる前から、確定していた発表日
 である。そのことは、あらためて記しておきたい。