『働く過剰』(4)

 
 ニートの増加は、これから社会にどんな影響を
およぼすことになるのだろうか。労働力人口の減少
にも拍車がかかるだろうし、社会保障制度の担い手が
足りなくなるかもしれない。しかし、経済成長や年金制度の
維持を目的にニート解消を目指すというのは、本末顛倒だ。
「社会のために働け」「働かざるもの食うべからず」と言われて
働き出すニートはどこにもいない。それは少子化に歯止めを
かけるために出産を決意する女性がいないのと同じだ。
(第五章「ニート、フリーターの何が問題なのか」より)