「5人」の秘密

 あるとき、きいた話。
 
 貧者の銀行として知られるグラミン銀行が 
 銀行として成立している秘密は、「5人」に
 あるらしい。貧しい女性に資金を貸し出すときは、
 5人の共同責任を取れるチームを対象とするのだ
 そうだ。ポイントは「5人」だそうだ。
 考えてみると、「5人」というのは、言い得て妙だ。 
 まず良い組織をつくるとき、偶数というのはむずかしい。
 なにか対立になったとき、割り切れてしまってどうにも
 収拾がつかなくなる。
 では7人はどうか。3対4にはなるが、なんとも7人というのは、
 全体の把握がむずかしい。映画 「七人の侍」も、基本的には
 個人の集団だったし、最後の志村喬のセリフも「今回も負け
 戦(いくさ)だった」。
 では3人は?2対1になったとき、いかんせん、一人は孤独だ。
 それに会話をするとき、休んでいる一人には、すぐ順番が
 回ってきてせわしない。がんばれ、パフューム。
 それに引き換え、5人はちょうどバランスがいい。
 そういえば、SMAPは5人になってブレークした。 
 今子どもや大人に一番人気の嵐も5人。ゴレンジャー
 以来、5人戦隊の番組は超長寿。5つあれば、
 だいたいの要素が組み合わせられるのだろうか。
 
 人気のカーリングも、サポートメンバーを入れれば
 5人だな。そういえば、オリンピックはそもそも
 「五輪」だ。
 これから何かをしようとするとき、信頼できる
 仲間が自分以外に4人いるかどうかを、ひとつ
 考えてみてはいかがでしょう。
 ただし、5人でうまくいかなくても責任は
 取れませんが。