相談

ずいぶん
前だったと思う
のだけれど
大学の学生相談室で
働いていらっしゃる方の会に
呼んでいただき、
お話をさせていただいたことがある。

終わった後の
立ち話か何かで
「最近『五月病』はどうなっているんですか」
とうかがうと
「五月病は、なくなりました」
と言われた。
「え?」と
驚くと
「年がら年中病になりました」
というのが、そのときのオチだった。

入学や入社などで
新しい環境に身を置かれた人のなかには
なかなか馴染めない場合もあるだろう。
さらに今回、直接会って話を聞いてくれたり、
励ましてもらったり、励ましあったりということが
できない状態がまだ続いている。

オンラインでの授業、研修、コミュニケーションなどでも
どこか疎外感があったり、うまく溶け込めないこともあるだろう。
次第にオンラインにも参加できなくなって、そのまま
連絡が取れなくなっている場合もあるのかもしれない。

孤立しているという事実が、
実際に対面の機会ができたときに
その場にいないことで
はじめて判明したというのは、
なんとか避けたい事態だろう。

会社の人事や学校の学生担当の方などは
いろいろと個別にアプローチを
努力されていることと思うが、
直接会えないことで、
もどかしい思いをされているのではないか。

最近、全国の地域若者サポートステーションなどでも
オンラインでの相談にも力を入れているという。
遠距離で交通費がかかり、サポステにまで
行けなかった人には相談のチャンスが広がったことは
朗報だと思う。

一方、相談では、対面には対面の良さがやはりある。
以前に比べれば、相談の場所や機会、ツールも広がっている。
しばらくは限られた時間になるかもしれないが、
対面で直接悩みや不安を聞いてもらえる機会は増えてくる。

疎外感や孤独感に苛まれている方でも、どこかで
相性のいい話し相手や相談相手は、かならずいるので
ドアをノックしてほしいと思う。