今日の妄想

帰りの電車に乗っていると
快晴と乾燥のせいだろう
年に何度あるかというくらいの
美しい夕日の富士山
だった。

ただ車内を見渡すかぎり
夕日の車窓に目をやっている人は
誰ひとりいなかった。

スマートフォンのほうが
たぶん面白いのだろう。

そのとき
電車に一人の少女が乗ってきた。
電車が動き出してほどなくすると
彼女は富士山を静かにずっと
眺めていた。そのとき
彼女の眼からひと筋の涙が
こぼれ落ちた。

と、
小説ではなるのだろうね。
でもそんなことはなかった。

 

 

兄弟船

このあいだ
あるところで
懇親会に出ていたら
女の子から大和田獏に
似ている、
「バクちゃん」と
言われた。

テレビつけたら
バクちゃんは
かなり悪い犯人に
なっていた。

バクちゃんと呼ばれた
翌日
別の場所でまた
懇親会に出ていたら
お姐さまたちから
大和田伸也に
似ている
といわれた。

2日連続で
大和田兄弟。

 

 

 

 

 

本当にないか?

「地方には仕事がない」。

その言葉は、
多くの場合、
あいさつ代わりの
常套句のようなものだ。

「ウチの地域は仕事にあふれています」。
という人に出会ったことがない。

しかし、現在の
日本の雇用情勢は
完全失業率が
4パーセントを超えて、
高止まりを始めた1998年以前
の段階に戻っている。

ここ15年でこれほど仕事が豊富に
ある時期はない。

地域別でみても
今や過半数の都道府県で
有効求人倍率は1倍を超えている。

1を下回っている地域でも、
ハローワークに集まる求人件数は
実際の就職件数を大きく上回り、
未充足のままだ。

求人のなかには法律上
問題のある企業
(私はブラック某という
言葉は使わない)
もゼロではないだろうが、
ほとんどは正式な手続きを経て
求人が受理された
ごく普通のまっとうな企業だ。

もちろん努力しても
なかなか仕事に出会えない人
たちがいる。
本当に仕事のない地域もある。

「仕事がない」という言葉は、
軽々しく使ってほしくないと
思う。