25年以上前、大学に入るために
初めて東京で暮らすことになったとき
たくさん失敗をした。
今、思うと恥ずかしい思い出がたくさん
ある。なぜか電車関連が記憶にある。
丸の内線から銀座線に乗り代えるとき
切符を買い直すべきか、悩んだ。
急行に乗るとき、どこで急行券を買わなければ
いけないかが、わからなかった。
山手線が新宿についたとき、出口の前で
降りなければらないことを知らず、まるで
弁慶のように立ちふさがった。
初めて一人暮らしを始めるみなさん、
心配ありません。後でしっかり
笑えます。
どっちがいいか。
あとから振り返ったとき
たくさん成功したという人生よりも
たくさん失敗したいえる人生のほうが
楽しいのではないか。
成功は、ほとんど偶然の産物にすぎないが
失敗は、自分から行動を起こさないとなかなか
できないものだ。
なにもかも
3月20日は、たしかむかし働いていた
大学の卒業式の日。
むかし、学生が卒業する直前の
最後の呑み会の後、もう少し研究室で
呑もうということになった。
だが、入ろうとして守衛さんに問い質される。
不審者? そのとき、私の叫んだ言葉が
This is my children.
単数・複数もメチャクチャだが、そもそも
私の子どもでは、ない。
なにもかもが、まちがっている。
ご報告
本年度も終わりに近づこうと
しています。一年にわたり、今回も
多くの楽しい方々に出会うことができました。
また数多くの講演などのお誘いを
いただき、お礼申し上げます。ただ
あいにくスケジュールの都合がつかず
お断りせざるを得ない場合もあったかと
思います。どうかご容赦ください。
尚、来年度につきましては、少々
考えるところもあり、本務である
大学での教育および研究と、新書の執筆に
できるだけ専念させていただければと思います。
したがって、既にお引き受けしている件を除き、
当分のあいだ、たいへん勝手ではございますが
講演のご依頼は基本的にお断りさせて
いただければと思います。
そう遠くない将来、また直接みなさんとお話
できる機会を広く持たせていただきたいと思います。
そのときを私も楽しみにしています。
玄田 有史
人間に格はない⑤
今回の『人間に格はない』
は、『人間失格』を意識したものではない。
さらに
『人間に核はない』読みましたよ
という、それはそれで意味が深そうな
お手紙をいただくこともある。
共通するのは、はしがきの
石川幹子さんの言葉に対する反応だ。
『一生一作』は石川経夫さんの言葉でもある。
すべて事実である。