ちょっと用があって、急遽、実家のある松江
に戻ることになった。
4、5歳の頃に、ちょっと大きな交通事故を
して、何ヶ月か、家で寝ていたことがあった。
その後、松江日赤病院に通院していたはず
なのだが、その地下にある食堂を、およそ
40年ぶりにたずねてみたのだが、当時の
面影のほとんど、そのまま残っていたのだ。
ガラスケースのなかの蝋で出来たカレーライスは
多分むかしのままだろう。
中に入って、何を注文しようかと思ったが、
とりあえずメニューの一番上に書いてあった
ラーメンを大盛り(450円)を頼んでみた。
数分後に、ラーメン到着。あまり期待も
せずに食べてみると、これがなんと実に
おいしいのである。無論、本格ラーメン店
のような勢いなどないのだが、だからこそ、
落ち着いて、しみじみおいしいのである。
そういえば、駅前にすごく有名なラーメンだけの
お店があった。あまりに人気があって、あそこは
ちょっとおかしな肉を使っているのではないかという
根も葉もない、うわさを立てられるほどの、ちょっと
した店だった。なんか、その店の味に似ていた。
そういえば、どんぶりにあった龍のマークも、
小学生の頃に食べたラーメンのどんぶりに
そっくりだった。
後で聞いたら、松江のなかでも知る人ぞ知る
ラーメンだったらしい。それにしても、病院の
ラーメンが評判の町って、どんな町だ。
吉か、兆か
昨日、パネルディスカッションというのに
参加した。
一度やってみたかった、
ささやき女将をちょっとだけやってみた。
そしたら、ほんとにごくごく一部にだけ
ウケた。
いや、本当は、むしろすべっていたかも
しれない。雪のせいではなく。
なむー
近所にあった仏具店が閉店になり、
改装工事をしている。
入ったことはなかったが
けっこう広そうな店だったので、多分マンション
かなにかになるのだろう。
今日夜、車で通りかかり、赤信号で丁度横に
とまった。白いカバーで全面が覆われた元仏具店の
隣には、また別のマンションがある。はじめて気づいた
のだが、そのあいだには古びた電柱があった。
そしてさらにその電柱のすぐ横に、別の小さな柱が
あった。そこにむき出しで、
「仏具」
とあった。暗かったが、白地に赤字で、
タテ30センチ・ヨコ20センチくらいの
小さな看板が、そこにポツンと残っていた。
何ヵ月後、ここには多分、2件のマンションが
何事もなかったように並ぶことになる。
そして、そのあいだに「仏具」の二文字が
ひっそりと・・・。
怖。
ちなみに仏具店の反対隣は、もともと
定食屋だったのだが、何年か前に
突然フラメンコ教室になった。
どんな町だ。
潜伏期間
温泉にて。
かなり温まったので、
水風呂に入ってシャッキと
しようとして、驚いた。
水のなかに男性が沈んでいる。
水底に完全に腹ばい、うつぶせに
なって沈んでいた。微動だにしない。
とっさに「すわっ病気かっ!」と思ったが
あまりの意外な場面にちょっとこわばる。
そうこうするうちに数十秒後、水の底から
男性が、ヌヴァーと浮かびあがってきた。
本人はなんということもなく、
ケロっとしている。
いつものことなのだろうか。
少なくとも私は人生で
初めてみた温泉の利用の仕方だ。
その男性に釘付けになり、ちょっと離れて
ずっとみていた。すると、結局、3回くらい
潜水を繰り替えしていた。
いやあ、いろんな健康法があるもんだ。
そんな日
何をやっても、やろうとしても
うまくいかない日もある。
そんな日。