日本経済新聞出版社の
ホームページに掲載されている
『孤立無業(SNEP)』の
表紙・帯、そして目次です。
http://www.nikkeibook.com/book_detail/35577/
内容は、以前にご紹介した
政府統計の結果について、
最新の調査を用いて新たに
紹介しています。
また政府統計だけではわからなかった
過去の事情や将来の見通しなど
独自に別途調べた内容を加えました。
さらにはデータの分析以外に、
この1年半の間に、孤立無業に
ついて、いろいろなご質問を
いただきましたので、それに
回答する章もつくりました。
最後に、孤立無業者本人と
その家族へのメッセージの章
があります。書いていて
『仕事のなかの曖昧な不安』
の最後の章「17歳に話をする」
を思い出しました。
カテゴリー : ベンキョーしてみた
『希望学 あしたの向こうに』(1)
今回の
『希望学 あしたの向こうに』
のおすすめの一つは
橘川武郎さんのエッセイです。
原発の問題について
立地住民のことを
ふまえた上で
未来をみすえた意見で
橘川さんを超えるものは
なかなかないと思います。
特に
『当事者として
一番真剣に悩んできた人々が
一番リアルな希望を見出すことが
出来るのだ』
というメッセージは、
希望学の名言の一つだと
思います。
http://www.amazon.co.jp/%E5%B8%8C%E6%9C%9B%E5%AD%A6-%E3%81%82%E3%81%97%E3%81%9F%E3%81%AE%E5%90%91%E3%81%93%E3%81%86%E3%81%AB-%E5%B8%8C%E6%9C%9B%E3%81%AE%E7%A6%8F%E4%BA%95%E3%80%81%E7%A6%8F%E4%BA%95%E3%81%AE%E5%B8%8C%E6%9C%9B-%E6%9D%B1%E5%A4%A7%E7%A4%BE%E7%A0%94/dp/4130330705/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1374721076&sr=8-1&keywords=%E5%B8%8C%E6%9C%9B%E5%AD%A6%E3%80%80%E3%81%82%E3%81%97%E3%81%9F%E3%81%AE%E5%90%91%E3%81%93%E3%81%86%E3%81%AB
希望学 あしたの向こうに
福井県は、日本人にとっての
心の原風景ともいうべき場所である。
豊かな自然に恵まれ、
家族や伝統を大切にする文化が
地域のいたるところに残っている。
日本人の美徳とされてきた慎み深さや真面目さは、
そのまま福井人の気質にあてはまる。
教育や勤労にも熱心であり、
経済状況のみならず、
生活満足度や幸福感などの全国調査をすると、
つねに上位に位置づけられるなど、
ある意味では他の地域にとっては
羨望の的でもあるのが福井である。
しかし、そんな福井も今、
大きな岐路に立たされている。
その最も象徴的なのが、
原子力活用の行方である。
多くの原子力発電所が存在する
福井の対応と選択は、
震災後のエネルギー政策に
決定的な影響を与える立場にある。
日本の将来の命運を、
今や福井県が握っていると述べたとしても、
あながち誇張とは言えない現実がある。
大切に守られてきた家族のあり方にも、
確実に変化が生じている。
大きな家屋に三世代が同居するという
福井の伝統的な家族のスタイルも、
大きく様変わりしつつある。
地域の人口減少についても、
他の地域と同じように明快な解決策が
見いだせないまま、福井でも日々苦悩が続いている。
希望学の福井調査は、文字通りでいえば
「福のある井(集落・郷里)」であるはずの福井に、
これから希望はあるのか、
そして福井の取り組みが
日本社会にどのような希望を示すことができるかを、
考えようと始められたものである。
東大社研・玄田有史編
『希望学 あしたの向こうに -希望の福井、福井の希望』
東京大学出版会
7月25日発売
「はしがき」より
http://www.utp.or.jp/bd/978-4-13-033070-1.html
わからないということ
昨年10月に
総務省統計局が実施した
「就業構造基本調査」
の結果が、
先日公表になりました。
http://www.stat.go.jp/data/shugyou/2012/pdf/kyoyaku.pdf
そこにはいくつかの重要な
事実が発見されます。
特に重要なのは
雇用契約の期間について
です。
先の要約の3ページを
みると、正社員ではない人の
なかでも「雇用契約の期間に
定めがない人」が、
30.2%に達していることが
わかります。
けっして小さくない数字
だと思います。
ただそれ以上に衝撃的なのは
自分の雇用契約の期間が
分からないという人たちが、
正社員以外では
15.8%もいる
ことです。
「定めがない」ことと
「わからない」ことは
まったく意味が違います。
日本の雇用問題の一つは
この「わからない」ことの
多さにあるように思います。
今回「わからない」という
選択肢を準備したことは
調査の英断でした。
自分の雇用契約期間が
わからないまま
働く人の割合を
減らすことは
労働政策の重要な目標
になるはずです。
世の中には
よい「わからなさ」
と
よくない「わからなさ」
があります。
『希望学 あしたの向こうに』刊行
ついに希望学が
帰ってきます!
2009年から
取り組んできました
福井を舞台にした希望学の本が
今月25日に刊行の運びとなりました。
http://project.iss.u-tokyo.ac.jp/hope/
思い出。
いったい、これまで何回
米原駅で
きつねそばを
食べたことか。
あそこのそばは
だしも、きつねも、そばも
おいしいのです。でも
福井とは関係ないか。
地域の希望の再生に
関心の方にはぜひ
お読みいただければと
思っています。