打ち上げは好きなんだけど
打ち合わせは好きじゃないんだ
といわれた。
まったくもって
その通りです。
2009年7月
GATIN
介護って、武道だったんですね。
膝とバランス、体重異動。すごい。
勉強になりました。
夏にひんやり。
エレベータに乗ろうとして
扉にはさまれかけた。
走り込んだわけではない。
でも前に乗っていた人から
「あーあ」といわれた。
つらい思い出。
はやくも
早くもトンボがたくさん飛んでいる。
今年の前半は、希望学など新しい
テーマの講演などのお話もたくさん
いただき、どうもありがとうございました。
昨日で、ひとまず一段落。
みなさん、おつかれさまでした。
長短ありますでしょうが、
みなさん、よい夏休みを。
有期解雇と助成金
福井からの希望学フォーラムの帰り道、
飛行機のなかで福井新聞を
読んでいたら、一つの記事が
目についた。
見出しには
派遣社会の解雇無効
-福井地裁仮処分決定
-賃金支払い命じる
とあった。
記事によれば、福井市と越前市の
40代から50代の男性4人は、人材派遣
会社と契約し、今年の11月まで坂井市にある
化学工場で働いていた。それがこの2月に解雇
されたことを不服とし、労働者としての地位保全を
求めて、派遣会社を相手に福井地裁に申し立てを
していた。
訴えられた派遣会社は、「派遣先に契約を打ち切られ、
会社を存続するためやむを得ず解雇した」と主張して
いたという。
それに対し、地裁裁判官は、派遣元は労働者の派遣先
を確保する努めがあるとし、労働契約法で契約期間中の
解雇を認める「やむを得ない事由」(17条)にあたらないとし、
解雇を無効とした。労働者の地位保全と、既に支払いを
過ぎている3月から6月分の賃金の仮支払いと、7月から
11月分の支払いを命じた。
〇
以前にゲンダラヂオでも書いたけれど、今回の雇用に関する
騒動のなかで、もっとも重要な論点の一つは、契約期間に
定めのある労働者(有期雇用)について、労働契約法17条に
ある、契約期間途中の解雇を認める「やむを得ない事由」を
いかに解釈するかにあった、と私は思っている。
有期雇用の解雇について、定めのない雇用者のような解雇権
の濫用法理が確立されないままに、雇い止めが派遣労働者を
中心に頻発したことが大きな混乱となった。
上記の記事で、なぜ「やむを得ない事由」にあたらないと裁判官が
判断したのか、記事には詳しくは書かれていない。派遣会社側は
経営の存続の難しさを主張したが、実際にはそれだけの状況に
至っていないという、なんらかの状況証拠があったのかもしれない。
さらには、40代から50代男性ということで、世帯主として家計の中心
にあり、そのことが解雇の与える影響の深刻さとして、配慮されたこと
も場合によっては、あったのかもしれない。
いずれにせよ、今後、このような判例が蓄積されることによって
有期雇用の解雇に関する法理が、ある程度時間をかけて形成
されていくのだろう。もちろん、その背後には、法学者の役割も
大きい。
〇
もうひとつ、今回、改めて感じたのは、雇用調整助成金の役割だ。
派遣先との契約を突然打ち切られた結果、派遣元が経営の存続が
本当に危うい状況にあったとすれば、当然、11月まで契約していた
労働者を休業とした上、雇用調整助成金の申請を行うことも考えられる。
急いで助成金への派遣・請負会社の申請実績を、厚生労働省の
ホームページで調べてみたが、支給の業種別状況の数値は見当たらなかった
(見落としもあったかもしれないが)。ただ、支給条件の活用事例のなかに
2 派遣・請負関係事業所
(1)D社
・社員数200名中190名について休業を実施予定。
・12月中に4日間休業を実施予定。
(2)E社
・社員数20名 全員について休業を実施予定。
・12月中に11日間の休業を実施予定。
のような指摘があることからすれば、当然、支給対象として
排除されているわけではないのだろう。
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2008/12/h1226-6b.html
〇
だとすれば、今回の教訓として、突然の深刻な雇用危機に
よる不安定な状況におかれることの多い派遣・請負労働者が
契約打ち切りにより解雇のおそれがある場合には、派遣元
会社に対して、雇用調整助成金を積極的に活用し、当初の
契約期間満了まで、休業の措置とさらには教育訓練の義務を
派遣元会社に課すことを促すのも一案に思う。無論、その場合
にも、支給対象としての適性(経営危機の状況、休業や訓練
の計画や実施の妥当性など)のチェックは重要になる。
〇
現在、政府の経済危機対策を受けて、雇用調整助成金の制度は
見直され、より利用しやすい状況となっている。以前は雇用保険の
加入が6ヵ月以上の労働者のみが対象とされていたが、現在は契約
期間は不問とされ、新規学卒者も対象に含まれている。事業の縮小
の判断も、以前は生産量が基準だったが、現在は売上高もしくは生産量
とされた。これは実質製造業から、派遣などを含むサービス業への対象
事業所の拡充を意味する。
その他、教育訓練の要件緩和や、出向者への休日の対象追加、
助成率アップがなされ、申請についても様式の規定が緩和、計画変更
もいちいちハローワークにいかなくても、郵送、ファックス、メールで
可能になった。
詳しくは
www.mhlw.go.jp/houdou/2009/06/dl/h0608-2b.pdf
〇
このような調整助成金の要件緩和の影響もあってか、利用事業所や対象労働者
数、支給額は、2009年3月より、飛躍的に増加している(速報値)。
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2009/06/h0629-1.html
今後は、どのような助成金の活用のあり方が、もっとも効果的であるのか
実績に関する統計分析、さらに重要なことにハローワークを通じた利用
状況に関する聞き取り調査が重要となるだろう。
それらが結果的に、有期雇用の解雇に関する「やむを得ない事由」についての
社会的合意形成に、研究者が貢献できるもう一つの道なのかもしれない。