13年ぶりにオックスフォードに着。
当時、一番好きな場所だった
port meadowをぶらぶら
歩く。そこでふと考えたこと。
(1)不当な労働条件の変更に
対して判例を積み重ねること
(不当にどれだけ訴えることが
できるか、現状日本を変えるのは
判例、総合労働相談コーナーの重要性)
(2)非正規を中心に組織化の
新しい流れをつくること
(正規が従業員代表ということを
どれだけ真剣に考えるか、圭介さんの
影響、非正規のためでなく、正規のためにも
代表とは何か、審議会に非正規の代表も)
(3)将来起こりえるトラブルに
対応できるような学校教育を
中学時点で行うこと
(深刻なトラブルから自分を守る
ために、専門家しかわからないことは
チカラをもたない、キャリア教育の原点
回帰など)
そんなことを、意味もなく
なぜか、
思ったりしました。
夜、オックスフォードのみなさん、どうも
ありがとうございました。自分の記憶の
なかで、多くで右と左が反対なことを、
なんだか不思議に思いました。
2009年9月
意外なほど天気の良いこちら。
今、イギリスに来ている。
数えてみると、13年ぶり。
イギリスの日本研究協会(BJAS)
にお誘いいただいて、シェフィールド大学
で講演する。
若者、仕事、希望をキーワードに話をする。
関係者のみなさんのおかげで、楽しいし、
学ぶところが多い。希望学についても
いろいろな意見をいただく。
イギリスでは希望をhopeよりも
aspirationという言葉で表現することが
多いようだけれど、希望の話をして
希望には、scenario(シナリオ)
そしてsolidarity(結束・連帯)が重要
ではないかといったコメントなどをもらう。
それらは、日本の希望学でも、物語や
人と人とのつながりとして議論してきた
ことで、とても通じるところがあることに
驚き、そして面白かった。
たまに外国にいくのも、勉強になるね。
読者の皆さん、おめでとうございます。
まったく本当にありがたいことである。
4月から7月にかけて毎月刊行してきた
希望学全4巻が、すべて増刷になったという
連絡を、東大出版会からいただいた。
この不況のなか、もっともきびしい業界の
一つが出版業界。そのなかで、ただでさえ
むずかしい、シリーズもの、その上で学際もの
ということに、あえて挑んでいただいた
東京大学出版会に、とても感謝している。
無論、売れるということは、一つの評価基準に
すぎない。でも、今後、希望学のような挑戦的な
企画が続くためには、とても嬉しいことであるのは
まちがいないと思う。よかった。
かつて、ヤクルトの若松勉監督が、優勝の際発した名言
「ファンのみなさん、おめでとうございます」
当初、感激した監督の言い間違いという説もあったが、
そうではないと思う。希望学を応援していただいたみなさん、
おめでとうございます!
ないから。
もうすっかり終わったと思っていたのが
今日思いがけず、ひまわりがたくさん咲いて
いる場所を発見。
せっかくなので、記念写真(心の中で)。
自分の仕事とは。
昨日の雇用システムワークショップの
お二人のご発表もいずれも示唆に富んで
学ぶところが多かった。
そのなかでふと個人的に感じたのが、
仕事の範囲、もしくは期待される役割に
ついてという問題。
ざっといえば、これまで日本では、期待
される仕事の範囲や、それにもとづく評価に
曖昧さをあえて残すことを選択してきた。
仕事の範囲にのりしろを残すことで
緊急のときなどに柔軟性を確保するメリットが
大きかったからである。
ただ、時代の変化のなかで、そのメリットよりも
仕事という概念が曖昧なことへのデメリットが
大きくなっている。曖昧であることは、ややもすると
「なんでもやる可能性がある」ということであって、
多かれ少なかれ、様々な制約がある人々が増えるなかで
働く人と雇う人のあいだの齟齬が大きくなっている。
それはよくjob descriptionの問題といわれるが、
あらためてその点について考えさせられた。
では、job description、つまりは自分が果たすべき
仕事の役割や責任をより明確にすることが近未来的に
重要だとしたときに、何が決め手になるか。
一つのアイディアは、自分の仕事に関する範囲や責任に
ついての発言力や表現力を、一人ひとりがより身につける
ことではないか。
これまで、企業からすれば、どちらかというと、そのような
発言力や表現力を労働者が持たないほうが、柔軟に
対応を要求する上では、便利だった。しかし、これからは
むしろそれらを個々の労働者がもっと身につけられるように
企業側も積極的に取り組むことが、企業と労働者の個別の
コミットメント(約束)を強め、信頼関係を増すことで、結果的に
評価の納得性や生産性にプラスに働くのではないか。
つまりは、労働者のボイス(発言)を鍛えることも、これからの
企業の重要な能力開発投資になるように思えた。
その場合、仕事の範囲や責任を表現するとは、逐一
すべて厳格に線引きするということではない。明確に
する部分と、あえて曖昧にしておく部分の範囲を決める
ことも、含まれる(むしろ、それが重要だろう)。
自分の仕事を自分の言葉を語れるようになるのは
正規、非正規を超えて簡単ではない。ただ、一人でも
多くが、自分の仕事を誇りを持って語り、約束できる
状況を実現することが、近未来の雇用システムを設計
するときの、一つの理想状況ではないか。
そんなことを昨日は考えさせられた。
雇用システムワークショップは、たいへん多くの方に
ご参加いただいて、幹事の一人として嬉しい。でも
いちばん嬉しいのは、労働問題を勉強している実感を
強く持てることである。