2020年12月の労働市場(3)

概ね安定もしくは小康状態にある12月の労働市場の動向のなかで、一部変化の兆しがみられるのが、休業者だ。

労働力調査では、12月は20日から26日の状況が調べられるが、この期間、休業者数は202万人(原数値)と、昨年8月以来、ふたたび200万人台となった。前月11月に比べて26万人増えたほか、前年同月より16万人多くなっている。

この状況は、今年に入って緊急事態宣言が出される前の状況だ。昨年は宣言前の3月時点で休業者は249万人となり(2月は196万人)、宣言期間中の4月には597万人と爆発的に増加した。今回の緊急事態宣言を踏まえ、休業を強いられることになった人がどのくらい増えたのか、1月の状況が注目される。

休業者の内訳をみると、就業者が伸び悩んでいる卸売・小売で18万人、飲食・サービスで12万人と予想通り多い。それに加えて製造業でも24万人、建設業で17万人と、休業者は多数発生しており、窮状を訴える声がいまだに多いこととも整合的である。

ただいずれの産業の休業者数も、前年同月に比べると、必ずしも突出して多くなっているわけではない。それでも今後、これらの休業者の実際の数値がどのように再び収束に向かっていくかは、特例措置などの是正のタイミングを定める上でも重要になっていくだろう。

ちなみに前回の緊急事態宣言時に、休業者とならんで急増した非労働力人口については、季節調整値でみても、全体的には増加傾向をまだ示していない。ただし65歳以上の非労働力人口に限ると、昨秋以来の感染拡大に並行して、前年同月に比べて増加する状況が続いている(原数値)。感染リスクを踏まえて働き止めをふたたび選択した高齢者が、今回の緊急事態宣言で増えているかも、来月確認すべきポイントの一つだろう。


2020年12月の労働市場(2)

今月も
先月までと同様
産業別の就業者数の動向について
過去7年の平均との比較を行ってみた。

その結果、
過去7年平均に比べて
もっとも減少幅が大きかったのは
卸売・小売業の16万人減。
10、11月と回復気味だったのが
再び大幅な減少となった。
次いで減少が大きいのは
やはり飲食・宿泊サービス業の12万人減。

複合サービス業なども含めて
対消費者向けサービスを中心にする業種に
感染の影響は集中しつつある。
製造業や医療・福祉など
就業者数の多い産業は、
ほぼ感染の影響を脱しつつある。

そろそろ雇用維持政策も
全方位的な対応を
見直す準備を始める
べきときではないか。

2020年12月の労働市場(1)

本日、
総務省統計局「労働力調査」
厚生労働省「職業安定業務統計」
の2020年12月分の調査結果が発表。

直近で
緊急事態宣言のなか、
就業情勢も大きく悪化していたはず
との予想もおそらくあっただろうが、
実際には、おおむね横ばいの状況。

報道もまた
拍子抜けしたのか、
仕方なく(?)
年平均の悪化を
主に取り上げているようだ。

労働市場は
安定的な状況
もしくは小康状態を
保っているにもかかわらず
さらなる雇用維持のための
特例措置の延長など
際限のない措置が
勢いのなかで
次々と決まっている。

エビデンスって
いったい
なんなのだろう。

時速

釜石鵜住居(うのすまい)
のオンライン語り部に
参加した。
https://www.unosumai-tomosu.jp/miraikan.html

いろいろ知ってた
つもりでいたが
知らなかったことも
多々あった。

そのなかで
印象的だった一つが
事前の防災訓練の例。

津波というのは
時速36キロの速さで来るらしいと知り、
先生がクルマを同じ速度で運転することを思いつき、
生徒がそれと追っかけっこをしたそうだ。
時速36キロの速さは、
簡単には逃げ切れないことを
体感したという。

また一つ、
いい小ネタが増えた。