14日午後3時に好天の宮崎空港に到着。
15日正午、雪残る新横浜駅に降り立つ。
ロードムービーのような一日だった。
デフレと国際競争
デフレ傾向の原因は
いろいろあるげれど
少なくとも支払われる
賃金に上昇傾向が
生まれない限り、
デフレは解消に向かわない
ことはまちがいないだろう。
ところがデフレ解消と
そのための政策を強く
主張する人たちさえ
賃金の引き上げに対しては
きまって慎重な口ぶりになる。
理由は、国際競争力を
失いつつある日本企業にとって
賃金引上げによる人件費高騰は
さらに競争力を弱めることになる
というのが、常套句になっている
からだ。
デフレは解決しないといけない。
けれど賃金は上げられない。
どこか矛盾していないか。
ただ経済学的に一つだけいえるのは、
重要なのは、賃金そのものの
水準の高低ではないということである。
大事なのは、働く人たちに支払われる
賃金が、その「働きに見合っているか」
ということである。
働き、もしくは働きぶりのことを
経済学では、(労働)生産性という。
生産性に比べて賃金が高すぎるならば、
人を雇うことは損、反対に人を減らすことによる
費用の節約効果が収入減少分を上回るため
得になる。
反対に生産性に比べて賃金が低ければ、
人を雇うことによる収入の増加が人件費の
増加を上回るため、さらに利益を生む。
いわゆる非正規で働く人たちが、絶対数でも
雇用者に占める割合でも、依然として増え続けて
いることは、非正規に支払われる賃金が、その
仕事ぶりに見合っておらず、低すぎる水準に
あることを意味するのではないか。
非正規というと、つねに能力開発もなく
単純労働であるという決まり文句にいつも
違和感をおぼえる。正社員でなくても、
いい仕事をしている人たちはたくさんいる。
むしろ非正規であっても、一所懸命の
仕事ぶりに見合った収入が得られないために
働くこと自体に絶望し、若者などに働くことを
断念する傾向が強まっているとしたら、
それはとりかえしのつかない事態になる。
目先の賃金よりも、有為な人々が働くことから
離れていくことのほうが、長期的な国際競争に
とってみれば、より深刻な事態だと思う。
働くことを断念しているニートやスネップが
訴えているのは、そんなことではないだろうか。
孤立無業(スネップ)の実態(最新版・速報)
すでにお気づきの方も
あるかと思いますが
孤立無業(スネップ)
の最新成果を
速報として公表しました。
画面の右上の青い部分を
クリックしてください。
前回の報告は2006年まで
だったのですが、2011年の
最新の統計の計算結果を
加えました。
また前回の報告は
総務省統計局「社会生活基本調査」
の全調査のうち、8割をランダムに
サンプリングした匿名データから
計算したものでした。
今回は、総務大臣に申請し、
調査の全数をそのまま使っています。
また調査サンプルを復元して全体を
推定するときに用いる「集計乗率」を
変更したため、2006年までの結果も
前回とは若干異なっていますので
ご注意ください。
主な結果としては、
(1) 2011年には孤立無業が
162万人まで急増している
(2)2011年になって20代の
若年無業者がスネップに
なる傾向が急速に強まっている
ことなどが特徴的です。
今後も随時
分析結果を
ご紹介したいと
思います。
朗報
大学の近くにある
創業40年以上の
ご夫婦で営む
一杯呑み屋が
昨年秋くらいから
ずっと閉まっている
ことを書いた。
しばらく休業します
という手書きの張り紙も
年末にはなくなり、
いよいよかと思った矢先、
年明けに新しい、
やはり手書きの張り紙が。
新年十七日より営業します。
とのこと。なんと!
また「十七」とはなんとも
微妙な。
嬉しいながらも、
どこかで一抹の
不安もある。
月末あたりに
こっそり行ってみよう
と思ってる。
[5]
年賀状に
ゲンダラヂオ
たまに見ています
と書かれている
ことがある。
いつも大したことなくて
どうもすみませんが
今年もよろしくお願いします。
村上龍さんの
「55歳からのハローライフ」
の書評依頼を受ける。
書評を書いたことはあるけれど
小説の書評ははじめてだ。
どうなるかと思ったが
書いてみると、とても
楽しかった。年末にゲラを
チェックし、刊行を待つ。
その書評は
『週刊現代』に依頼されたものだ。
週刊現代は、いわゆる男性誌だ。
つまりは、少しというか、はっきりいうと
かなり「H」である。
嘘偽りなく述べるが、
あまり買ったことがない。
買うにはそれなりの
気合いが要る気がする
(なぜ?)。
しかし、さすがに今回は
買わねばなるまい。
これまた滅多にいかない
コンビニエンス・ストアに
いくと新年号が売っていた。
自然なふるまいで買って
帰る。
見る。目次に、あった。
「日本一の書評」とある。
大げさだなあ。でもこれは
別にボクの書評が日本一という
ことではなく、たんに週刊現代の
書評コーナーのタイトルだ。
そう自惚れてはいないのだ。
127ページ。ページをめくる。
『赦す人』大崎善生著
評者 後藤正治
しまった。今週号ではなかった。
あらためて書評担当者のメールを
確認すると、1月12日発売号とあった。
なーんだ。ということは、やはり
来週号も買わねばならん。
なーんだ。そうかー。