学者

誰かに
本当は簡単ではない
何かを
わかりやすく
教えたり、
伝えたりすること。

誰かの
思いや感覚を
うまく汲み取って
その代わりに
何かを語ること、
もしくは語ろうとすること。

よくわからないことを
もしかしたら
大事なことではないかと、
いっしょに考えようとしたり、
できるのならそのきっかけを
つくろうとすること。

どれがよいとか、
まさっているということではない。
いずれにも共通するのは、
わからないなりに
なんとか理解したいと思うことだろう、

ただ、ふりかえれば、
なんとなく目指していたり
多少なりとも向いているかなと
感じていたのは
やはり3つ目だったことが多かった
ように思う。

それで結果的にやることも
自然と決まってきたようにも思う。

無論、それがうまくいったかどうかは
まったくの別物ではあるが。

名前

部屋の窓から
なんとなく
緑がみえている。

今回ずっと部屋にいたりして
昨日ふと思って
インターネット上の地図で
調べてみたら、
その緑は
名前を持った公園の一部
であることが
はじめてわかった。

それ以来
あいかわらず
なんとなくではあるが
窓からの景色が
少し違ってみえる
気がする。

名前を知らないことは
そこにまちがいなく
存在していても
気づかなかったりする
理由になる。

2020年1-3月期の労働市場(5)

春先の感染症拡大に対する
雇用全体への影響として
休業者のかつてない増加に加え、
5月1日に書いた
「2020年3月の労働市場(4)」
では短時間就業の増加に触れた。

今日は
このうち短時間就業の増加について
労働力調査(詳細集計)から
改めて考えてみる。
以下は、すべて非農林業雇用者に
関するものである。

労働力調査のやり方が大きく変更された2002年以降、
毎月調査される月末1週間の就業時間が
1-34時間だった雇用者(以下、短時間雇用者)は、
1-3月期では、今回の2020年が、史上最多の1988万人
となった。その数は全体の33.4%となり、
こちらも最高となっている。

2020年1-3月期の短時間雇用者は
前年同期に比べて142万人増加し、
同時に週35時間以上就業の雇用者は107万人減少した。
業績の急激な悪化に対し、休業の実施に加えて、
雇用者を短時間就業に急遽切り替えることで
なんとか凌ごうとしている多くの職場の姿が
統計からも垣間見られる。

その意味で、2020年の感染症拡大の初期における
主な調整手段が、休業と短時間就業の実施だった
ことは、まずまちがいない。

ただ、短時間就業の増加についていえば、
真に画期的な一年といえるのは、2020年ではなく、
むしろ厳密には2019年かもしれない。

2019年1-3月期の短時間雇用者は1846万人であり、
対前年同期で210万人増加と、過去最大の増え方となっていた。

さらに2002年以降の4半期全体でみると、
最も短時間雇用者が多かったのは、
2019年4-6月期の2128万人(全体の36.0%)である。
2019年5月1日に令和への改元があったことで、
土曜を含めると10日連続の超大型連休が、
多くの国民に実現した。
それに加えるかたちで4月の月末に休暇取得や早退などで
もっと長期の休暇を楽しむ人々もいただろう。
このように平成から令和への改元が、
2019年春の短時間雇用者増加の背景にはあった。

しかし背景にあったのは、それだけではないかもしれない。
そこには「働き方改革」の影響も働いていた可能性がある。

2019年4月1日より、働き方改革関連法が順次施行され、
時間外労働の上限規制の導入の他、
年次有給休暇の確実な取得も求められることとなった。
法律の施行のみならず、働き方改革の言葉が浸透するについて、
就業時間の短縮による労働生産性の向上は、
会社のみならず働く人々にも広く意識される
ようになっていた。

短時間就業者は、高齢者の労働参加の普及など
非正規雇用の増加の影響もあって、2000年代以降
すう勢的に増加してきた。のみならず、
その増加の勢い(トレンド)は2019年以降、加速している。

2019年4-6月期には
正規の職員・従業員である短時間雇用者数も
過去最多となった。もっといえば正規雇用である
短時間雇用者は2018年あたりから着実に増え始めている。
それらの背景として、働き方改革の影響を見るのは
不自然ではない。

現下の雇用の危機に対し、
解雇や契約満了によって雇用者数を大幅に調整すること、
すなわち雇い止めは、2020年春先の段階では、
ある程度回避されていると、マクロ的には評価できる。
ただそれが実現しているのも、雇用者数の調整よりは、
休業や短時間就業などによる柔軟な就業時間の調整が
今のところ広く優先的に実施されているからに他ならない。

短時間就業は、手取り賃金の減少につながることも
考えられるため、本来ならば望まない雇用者も少なくない。
たとえば、もっと長い時間働くことを希望し、かつ可能な
短時間就業者である「追加就労希望就業者」は
2020年1-3月期にも212万人存在している。

にもかかわらず、突然の事態に際して、多くが
短時間就業へと切り替えるのを
今のところ結果的に受け入れている。
そこに働き方改革とそれに伴う就業時間短縮の実現
に向けた議論と取り組みが、素地であり、土台となっていた
とすれば、その意味するところは計り知れず大きい。

今後、柔軟な時間調整とそれによる仕事の分かち合いを
続けることで、雇い止めや事業閉鎖などによる失業の増加が、
多少なりとも減じたとすれば、
その背後には、感染症拡大直前の2019年に
いち早く取り組まれてきた働き方改革という歴史的偶然
があったことも記憶にとどめておくべきなのかもしれない。

 

 

手元

むかしから
よく通っていた
うどんすきで有名なお店が
今般の事案による業績落ち込みを受け、
関東での店舗の閉店を決めたそうだ。

ホームページによると
元々無借金経営でもあり
関係者に迷惑をかけないよう
手元資金が充分にあるうちの閉店を
関係者で決めたとある。

お店の多くは
いつかはなくなるものと
思ってはいるものの、
それでも寂しさはある。

店員さんも感じがよかった。

美々卯の蕎麦が
好きだった。

救命

日々
救命の現場で
奮闘されている
方々のご尽力には
本当に頭が下がります。

同時に
命の救い方には
いろいろなかたちが
あると
思うこともあります。

特に
表立って
感謝されることもなく
それが自分の持ち場
という思いで、
淡々と仕事につとめている
方々です。
こちらにも同じく頭が下がります。