ふたたび20~59歳の
未婚無業者(通学中を除く)
のうち、ずっと一人か、
家族としか一緒にいない
スネップに話を戻したいと
思います。
スネップになりやすい人には
どのような特徴があるのでしょうか。
まず性別では、女性よりも男性の
無業者のほうが、孤立しやすいよう
です。
ひきこもりは、男性が多いということが
いわれてきましたが、スネップにも
あてはまるようです。そもそもの社交性
が性別で違いがあるのかもしれません。
さらには自立しなければならないという
プレッシャーは男性のほうが強く、それが
かえって社会に出にくくするということも
あるかもしれません。
教育も関係があるようです。高校卒の人
に比べると、高校中退者を含む中学卒
の無業者が孤立する割合は高くなっています。
高校を中退することで、仕事につきにくくなる
と同時に、友人関係も狭まってしまうことも
あるのかもしれません。
ニート状態の人のなかには、高校中退を
経験した人も多く、スネップはニートと共通
する特徴があります。
このようにスネップは、ひきこもりやニートと
相通じる部分が少なくありません。
ただ年齢については、少しスネップに固有の
面があるかもしれません。
ひきこもりやニートは、まず若者の問題として
注目されてきました。107万人のスネップのうち、
20歳代も38万人とけっして少なくありません。
ただし、無業者に占めるスネップの割合は
30歳代以上になって、グンと高まります。
スネップはどちらがというと、働き盛りのなかでも
年齢の高い人たちにとって深刻な問題です。
たとえばずっと一人でいる一人型のスネップは
50代後半の未婚男性無業者で割合が
特に高くなっています。
若いうちは、学校時代の友だちとも会う機会が
それなりにあるのですが、年齢を経るとつきあいも
限られてくることがあります。そのなかで仕事のない
ことが人間関係の乏しさに拍車をかけているのでしょう。
スネップは、もう若者問題の枠組みだけでは
とらえられない広がりを持っている無業問題です。