コメントしてみた

新聞等のコメント取材はあまり
 お引き受けしない。けれど今日は 
 春闘の一斉回答ということもあって
 時事通信さんのご質問にメールで
 回答してみた。
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2009/03/18 15:51:29 ◎一時的な賃金据え置きは妥当=東大の玄田教授=
JacsNo= J8A5050AN24 [産業] genre AN
◎一時的な賃金据え置きは妥当=東大の玄田教授=
 玄田有史・東大社会科学研究所教授 現下の急速に悪化する雇用情勢では、
あくまで一時的との確約と、雇用確保への最大限の努力を前提に、労働組合は
賃金の据え置きを受け入れることが妥当ではないか。使用者側も、経営と雇用
の現状と将来見通しについて、積極的にできる限りの情報を開示し、雇用者の
納得を得るよう努力することが必要だ。
 経営側は賃金据え置きと併せて、業務の見直しや労働時間の短縮などを
確約することも重要。ワークシェアリングは、不況をゆとりととらえ、職場環境の
改善に向けて使用者側と労働者が一体となって努力すべきで、単に労働時間を
短縮するだけでなく、業務内容を明確にして限定的に切り分ける
「ジョブ・シェアリング」が本来の姿だと思う。(了)
 

黄色

 花粉症にとってこの時期の
 外出は大げさでなく、一大決断
 である。
 仕方なく外出すると、つい早歩きにも
 なるし、とにかく一目散と、視野も知らず
 しらず、狭くなる。
 というわけで、昨日川沿いを歩いていて
 はじめて、菜の花がすっかり咲いていること
 を知る。

キーワード

 大改革を行うとすれば、それは
 状況が好転もしくは少なくとも
 安定しているときである。
 改革それ自体が目的を達したとしても
 必ずやどこかにダメージを残す。悪化
 している状況では、そのダメージが
 とりかえしのつかないほど甚大となる
 ことが懸念されるからだ。
 
 手術でも、健康状況の悪化が
 深刻なときにはリスクが大きすぎる。
 
 これから働く環境、専門的にいえば
 雇用システム、労働市場など、
 大きな改革が必要なのだろう。
 ただ、今の状況では、改革を実行
 することよりも、まずは将来の方向性
 と具体的な仕組みを示す、わかりやすい
 ビジョンの共有だろう。
 かつて日本の雇用システムが礼賛
 された時代の、その強みを示す
 キーワードは、なんといっても
 小池和男先生による
 「異常と不確実性への対応」
 だろう。私はその重要性は今も
 色あせないと思う。
 その後、90年代の「変革」の
 時代のキーワードが人事面では
 「成果主義」「雇用ポートフォリオ」
 であり、労働市場でいえば
 「流動化」、労働政策でいえば
 「失業なき労働移動」であった。
 これらはたしかに時代のキーワードであったが
 未来のビジョンとして長期的に共有される
 キーワードであり続けるかどうかは、個人的には
 やや疑問である。
 だとすれば、非正規が3人に1人となった
 時代の新たなキーワードが求められる。私自身は
 「すべてが自己責任でもなく、かといってすべて他者に
  おまかせでもない、雇用形態の違いを超えた、新たな
 協働型の能力開発システム」の模索ではないかと思っている。
 そのための具体的なキーワードを明確にすることが 
 自分自身の目下の課題である。

かつて希望は

希望学の成果報告会も楽しく終了し、
 これからは広報活動もしていく。
 4月7日発売予定の希望学第1巻
 『希望を語る』については
 東京大学出版会のホームページに
 情報が。
 http://www.utp.or.jp/bd/978-4-13-034191-2.html
 
 今回、希望学は全4巻を4月から毎月
 刊行の予定だ。
 刊行に際して、嬉しかったのは、
 村上龍さんに、実に素敵な推薦文を
 いただいたこと。
 最近お目にかかっていなかったにも
 かかわらず、まるで4年間の希望学を
 見ていていただいたかのような推薦文
 に、関係者一同驚く。
 
 これから東京大学出版会の広報紙などにも 
 掲載される予定ですが、その内容をひと足
 早く、ゲンダラヂオでご紹介。
 ○
  かって希望は、焼け跡にまかれた種子のような
 ものだった。多くの人がその果実を味わうことが
 できた。今は違う。希望の芽を育むためには、
 個人と社会、それぞれの戦略が必要だ。この本は
 そのための果敢な挑戦の書である。
                       村上 龍

人が採れない

 有効求人倍率が、昨年1月より1倍を下回り続けている。
 求人倍率とは、職探しをハローワークでしている求職者数
 に対して、同じくハローワークに求人を出している件数が
 どのくらいあるかを示したものだ。
 
 有効というのは、今月に新規に登録されたものに、前月からの
 繰り越し分を加えたものである。
 有効求人倍率は2009年1月時点、全国では0.67倍。都道府県別
 では0.3台や0.4台もあり、深刻さは増すばかりだ。
 ただ、統計を別にみる見方もある。2009年1月の有効求職者数は
 約240万人。一年間から40万人近く増えている。一方、有効求人
 数は、それより少なく約160万人分。同じく1年前から40万人分
 減っている。
 これだけ求人が大幅に減り、そしてこれだけ求職が増えれば
 「仕事がない」という認識が社会に広がるのは当然だ。
 ただ、では、実際の就職者数はどうか。その数は、17万件。
 170万件ではない。17万件。桁が一つ少ないのだ。
 求人は減ったといっても依然160万人分あって、就職が
 成就するのは、約10分の1の17万件という事実。
 
 つまり、求人が減ったとはいっても、採用したいが
 人が採れない企業は、まだまだたくさんあるという
 ことになる。
 どうすれば、未充足求人を減らし、17万件を160万件
 に近づけるか。マンツーマンの就職対応、地道な求人
 と求職のニーズの刷り合わせ、・・・。そこに雇用対策の
 地味だが、大事な中身があるのではないか。
 そういう見方も大事に思うのだが、いかがだろうか。