必須

働く希望の
なかに実はある
個人的三原則
について
考えてみた。

「怠けたい」
「ふざけたい」
「手を抜きたい」

※ 良い子はマネしないでね。

それをしない(できない)
すべての働き手を
エッセンシャルワーカー
というのだろう。
実に頭が下がる。

それにしても
エッセンシャルって、
なんなのだろう。

今日の一曲。
https://www.youtube.com/watch?v=IJumY_r1LCg

思入

昨日、
散歩をしている最中、
2010年代に書いたもののなかで
一番思い入れが深い論文は
どれかともし訊かれた場合、
(実際には訊かれることはないのだけれど)
どのように答えるのだろうと
ふと勝手に考えてみた。

思い入れというのは、
その時々で違うので
一概にこれと決めるのは
むずかしいなと
まず思った。

一つひとつの論文、本、エッセイでも
もし訊かれたならば、それを書いた
背景とか、なぜ書いたかなど、それなりに
話せるだろうなとも同時に思った。

その上で時代状況のなかで
なんとしても
書かなければいけない
と思って当時自分なりに
緊張感をもって
最も取り組んでいたのは
多分これかもしれない。

「東日本大震災が仕事に与えた影響について」
https://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2014/12/pdf/100-120.pdf

ちょうど書いていたのは
50歳になる直前だった。

被災地で突然のことで働けなくなった人々が
置かれた状況について、統計を使って
できるだけ正確に記録して将来に残したい
と思って書いたもの。

それまで愛着を持って
当たり前のように
暮らしたり働いていた場所を
突如奪われることが、その後の
生活や仕事にも深刻に影響を残すことを
述べたものだ。

それは今も毎年のように続く
地震、台風、洪水などの被害にも
当てはまるものかもしれない。

個人的には被災地でも
釜石など三陸沿岸の地域とかかわらせて
いただくことが今も多いが、
この論文を書いていた当時は、
特に福島の原発事故で避難を
強いられた人たちのことを
イメージしながら書いていた記憶がある。

その後は、別途実施したアンケートの分析等も含め
『危機と雇用』(岩波書店)
という本を2015年に出したりした。

「コロナ後」という文脈で
いろいろなことが語られようようとしている。
東日本震災の後も「震災後」ということで
生活や働き方が変わるといわれていた。
いったい何が変わり、
何が変わらなかったのか。

そのことを考え直してみることは
コロナ後に思いをめぐらす上でも
もしかしたら意味があるのかもしれない。

2020年7月の労働市場(5)

昨日は
第二次安倍政権の期間に
ほぼ相当する2013年から
2019年の過去平均と比較により
感染症拡大前後の労働市場の特徴を見た。

アイデアは、天気予報の「平年」との比較だ。
平年は過去30年くらいとの比較とのことなので
せっかくなので、こちらでも過去30年と比較
してみることにした。具体的には1990年から
2019年の月次平均ということになり、
ほぼ平成との時代と比較という意味にもなる。

結果が、こちら。
https://app.box.com/s/j2q09r8buuwv025qw5pn7l4y9d2xh1ph
ちなみに前回みた正規雇用、非正規雇用の月次データは
過去30年分は得られないため、
ここでは男女別の就業者数を見ることにした。
そこからは、なかなかに印象深い結果が表れた。

バブル経済の崩壊後、
「失われた20年」という言葉に象徴されるような
持続的な不況が平成の時代の長きを覆った。

その時代の平均と比べると、
感染症拡大前の2020年1月の就業者数は
369万人も多くなっていた。令和は
就業面に限れば好スタートを切っていた。

就業者の拡大を支えたのは、なんといっても女性だ。
男性雇用者も、過去30年平均に比べて121万人増えたが、
女性雇用者は、実に505万人も増えていたのである。

失業率が5%台に達することもあった平成の頃の
平均に比べると、完全失業者数は87万人も少ない。
労働力参加の進展もあって、非労働力人口も
29万人減っていた。

ところが感染が拡大した2020年4月では、
就業者数や雇用者数(特に女性)の過去30年
との差は一気に圧縮される。30年の蓄積の多くが
一瞬のうちに吹き飛んだかたちだ。
非労働力人口に至っては、
「働き止め」の広がりの影響もあって
過去の平均よりも111万人も多くなり、労働参加に
急ブレーキがかかっていたことは、このような比較
からも明確に確認できる。

最新の2020年7月でも、
就業者数や雇用者数は過去30年の差は
4月時点と大きく変わっておらず、その意味で
就業動向は概ね横ばいを続けている。

一方で、完全失業者数は30年の差が縮小を続け、
平成の厳しい就職難の再来が忍び寄っている
ようにも見え、不気味ではある。
非労働力人口も、依然として過去30年の平均を
上回っており、全般的な労働参加の再開とまでは
いえない状況にある。

労働市場の動向も
常に多面的に確認する必要があること、
さらには短期的な比較だけではなく、
長期的な比較の観点も持たなければならないことを
今回改めて確認した。