オンライン相談者相談

これまで自立支援や就労支援で、最も大切なものは何かと訊かれた場合、その答えとして「支援者支援」という言葉を繰り返し述べてきた。困難のなかにある人を支援する人を、その周囲がそれぞれのできるかたちで支援するという、重層的な関係の形成が、大切なのだと。支援者支援という言葉は、私が語っていたことを、斎藤環さんが表現してくれたものだ。

これからは、支援者支援という言葉に加えて、「相談者相談」という言葉を述べていきたいと思う。困難の中にある人の言葉に耳を澄まし、相談という対峙を続ける人を、社会全体で支援しなければならない。日々奮闘する相談者自身が無理なく専門家や協力者などに相談できる体制づくりだ。

そこでは、きっとオンラインの活用が決定的な意味を持つ。いま進めるべきは、正確にいえば「オンライン相談者相談」ということになる。本日、厚生労働省が発表した雇用政策研究会報告では、雇用政策のデジタル化が一つの柱として強調されている。ジョブマッチングへのデジタル活用などが紹介されているが、あわせて重要なのは、相談に日々乗り続ける相談者が、過度に疲弊することなく、相談という業務に挑み続けることを支える、オンラインでの相談体制だろう。

相談者は日々忙しく、全国に散らばっているため、頻繁に集まるのは不可能だ。だが、オンラインでつながることで、場所を超えて同じ苦労を続ける人たちとつながり、知識や経験を共有しあえる。キャリアカウンセリングでは、それをピアラーニングというらしいが、そこにオンライン(デジタル)と多彩な専門家による定期的な相談者支援というエッセンスを加えていく。

それはまちがいなく、今後の雇用政策のデジタル化の重要な柱になるだろう。